表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうかご自愛を・・・  作者: かのい かずき
8/106

怒りのはずが・・・(7)

送信。


ますます重いんじゃなかろーか。


ま、おれの気持ちは伝えた。


それでよし。


それじゃ、新しい恋に向かって・・・。


・・・なんで思えないな、やっぱ。


おれはガイのすべてを受け入れることができなかった。


ガイがさみしい人だって知ってたのに。


おれはガイを包もうとした。


けど、結局、包まれたのはおれの方。


ガイにとって、おれは重荷だったのかもしれない。


対等な恋がしたかった。


けど、それができなかった。


甘えきってたワケじゃない。


自分を飾ってたワケでもない。


ただ、ガイにふさわしい人であろうとしただけ。


それはムリすることじゃなく、おれにとって、幸せなことだった。


別れはつい最近のことなのに、遠い昔のような気がする。


おれは誓った。


ガイが教えてくれたもの。与えてくれたものをゼッタイムダにはしないと。


仕事にしても、それ以外の生き方にしても、おれは人として立派になる。


そして、ホントに一人前の大人になったとき、おれはまたガイと会える。


なぜかそんな気がした。


これは未来のヴィジョン。


あの直感ってヤツだ。


ガイと会ったときに見た「別れ」のヴィジョンと同じだ。


この未来は現実になる。


また会える。


ゼッタイに。


おれは夢中になって仕事に励んだ。


そして楽しんだ。


生きることを。


自分に自信が持てるようになるために。


待ってなよ、ガイ。


心にこの言葉を刻みつけ、新年を迎えた。


ひとつ、また大人になる。


この一年で、おれはどんな大人になるんだろう。


レベルは落さない。


積み上げた「人」しての格を土台にして、さらにのぼる。


のぼり続ける。


ときには振り返るのもいい。


けど、止まらない。


止まってはいけないんだ。


止まることと、さがることはおれにとって同じ意味だ。


「小森クン、最近、顔、コワイよ?」


キミちゃんだ。


ちっこい彼女は、おれを上目遣いでのぞき込んでる。


「ん?そう?クレームでもあった?」


気づかなかった。


そんなにコワイ顔してたんかな。


「いや、ないけどさ。仕事一筋でワキメもふりませんって感じじゃん?」


う~ん、さすがに女の子。


スルドイぜ。


「だって頑張ってるんだもん。わしゃァビッグになるまで恋はせんのんじゃけェのォ」


おれはよく地方の言葉をマネる。


今回は広島弁。あと、関西弁もできるぞ。


「ん、気持ちは分かったが、スゴまんでくれ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ