表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうかご自愛を・・・  作者: かのい かずき
62/106

迷走(5)

翌日、おれは中沢に会いに行くことにした。


さいわい、今日は土曜。


練習も5時に終わり、見舞いに行くにはグッドなタイミング。


・・・なにがさいわいだ。


行きたいとゆー思いと、行きたくないとゆー思いがせめぎあう。


どーしたもんか。


すっぽかしてやろーか。


いやダメだ。


一度引き受けたんだ。


果たさなきゃ。自分から引き受けたワケじゃないけど。


飯田先生から中沢の住所を教えてもらった。


学校から近い。


でも、渡されたメモに「堀川家」と書いてある。


堀川って、なに?


聞けばよかったんだけど、渡されたときにはそんなの見なかった。


まァいいや。


行けば分かるだろ。


学校から徒歩20分。


閑静な住宅街ってヤツだな、ここ。


番地はと・・・。


おれは電柱のプレートを見つけ、確認した。


近いな。


カンだけを頼りに路地を右へ曲がった。


左側は角地から続く白い塀。


しかも、ずぅ~っと続いてる。


長く続く塀の途中の電柱のプレート。


中沢の家が近いってことを教えてくれた。


その塀は次の路地まで続いてた。


1ブロック丸ごと敷地。


お金持ちの家らしい。


その路地を塀づいたいに左へ。


すると、門があった。


・・・もしかして。


な~んか、イヤな予感。


表札を見ると。


・・・堀川。


逃げよっかな~。


いや、マジ、ヤバイっすよ。


なにがヤバイのかおれにも分からんが。


ど、どうしよ。


開かれたままの門から、中の様子が少しだけ見える。


キレイに手入れされた庭は広い。


お金持ちなフンイキたっぷり。


インターホンがあるけど、おれにはそのボタンを押す勇気がなかった。


かといって逃げるワケにも・・・。


真木のばかやろ~。


うぅ、今のおれって、どうみても小市民。


・・・事実だけど。


「どちら様?」


門前でフリーズしてたおれは、その声に文字通り飛び上がった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ