迷走(4)
次の日。
中沢は学校に来なかった。
どうしたんだろ。
授業中の態度は最悪だけど、休むなんとことなかったのに。
風邪でもひいたんだろか。
気にはなったけど、詮索してもしょーがない。
と思ったけど・・・。
1週間が過ぎた。
さすがに1週間も休むと異常だ。
「なァ、真木」
「ん?」
おれの知る限り、真木は中沢と付き合いが深い。はず。
なにか知ってるかも。
「中沢が来ないんだけど、なんか知ってる?」
「いいや、分からん。おととい電話してみたんだけどな、あいつ、出ないんだ。おふくろさんが出てくれたんだけど、今寝てるって」
どうしたんだろ。
体調が悪くても電話くらいなら出られるはずだ。
それとも、電話にも出られないほどの容態なんだろうか。
「心配か?」
「うん、・・・まァ」
「じゃ、見舞いに行ってやれよ。さっきさ、飯田からプリント預かったんだ。持って行けってさ」
今更だけど、飯田は担任。
「樋口、チャンス!」
「な、なんだよ、寺本」
キサマ、どこから湧いて出た。
「なんだじゃねェ。これはチャンスだ。このチャンスを活かさずして、今後の進展はありえない」
「バカ言うなよ」
「なんだ?進展って」
ほら、真木がクエスチョンをまき散らしてるじゃないか。
「い、いや、なんでもないんだ」
「ンじゃ、これ。頼むわ。おれ、今日と明日予定があってさ」
差し出されたプリントの束。
おれは受け取るかどうか、迷った。
「受け取れ」
悪魔のささやきだな。寺本。
「受け取るのだ。さすれば、おぬしの未来は開けようぞ」
うう~。
「はい。じゃ、行くから」
・・・おれの声じゃないぞ。
寺本だった。
プリントを受け取った寺本は、すぐさまおれに押し付けた。
「ンじゃ、よろしく~」
・・・お、おい。
「寺本は、なにをはしゃいでるんだ?」
「さ、さァ?」
おれが言えるか。




