表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうかご自愛を・・・  作者: かのい かずき
42/106

やる気の夏(6)

おの頃の母さんの作る料理はハンパなかった。


現役選手だったからいいけど、フツーに食べてたら確実に太る。


が、今もそれは変わってない。


おかげで毎日のエクササイズは欠かせない。


おれは毎日30分の運動をしてる。


ジョギングしたり、


テレビ通販で買ったダイエットプログラムDVDを使ったり。


その効果があってか、一応体型だけはキープしてる。


筋肉は落ちたけど。


今日は昼の仕事が休み。


家で個人事業。


最近、注文が多い。


うれしいけど、忙しい。


新商品を待ちわびるメールも何件か受け取った。


感謝のお返事を送る。


個人事業は一人で何役もこなさないといけない。


アクセ作りだけが仕事じゃない。


パソコンを使った仕事を終え、おれはアクセ作りを始めた。


もうなれた作業に頭はいらない。


体が勝手に動いてくれる。


けど、暑い。


おれの寝室兼作業部屋にはクーラーがない。


人工的な冷気が好きじゃないんだ。


だから、おれの部屋には扇風機しかない。


シルバーアクセは銀粘土を焼いたり、


銀そのものを溶かしたりと、熱を出す仕事が多い。


よって、この部屋ってば、暑いのよ。


扇風機は熱風をかき回すだけ。


おれは汗をにじませながらの作業。


集中すると、頭の中はまたあの頃へと戻っていく。


─────────


7月29日。


おれたち体操部は2位を大きく引き離して優勝。


「お前はバケモンか」


上野が感嘆まじりにため息をついた。


「フツーの人間だよ。天才なのは確信してたけど」


上野だって総合2位だ。 しかも、あん馬は1位じゃん。


それ以外の種目も3位以内に入ってるし。


「樋口先輩、個人総合優勝、おめでとうございます!」


後輩たちが祝ってくれる。


そう。おれは団体戦でも優勝したけど、個人総合でも優勝した。


けど、今回の目的は団体戦だった。


初めての団体戦。


いつもは個人で出場してたから。


「みんなのおかげだよ」


心からそう思える。


そして、中沢のおかげだ。


さァて。


おれは自分に課した目標をクリアした。


明日の中沢のライブ。


胸を張って行ける。


おれの頭の中は、みんなへの感謝から、中沢へとシフトしていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ