表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうかご自愛を・・・  作者: かのい かずき
34/155

接近(5)

「先輩・・・」


ハッと後ろを振り向くと、そこには女子。


・・・じゃない、根岸。


「はい、なんでしょう。根岸、サン?」


「先輩、私の名前、知らなかったんですねェ?」


うっわ~、睨んでるよ~。


「い、いや。忘れてただけ、です」


「初めて部活に出たときに、ちゃんと自己紹介したじゃないですかァ~!」


うん、そうだった。


・・・そうだったような気がする。


「私、先輩に早く知ってほしくて、中学のころから頑張ってたんですよ~。それなのにィ~」


根岸サンは肩を震わせてうつむいた。


「・・・泣かせたな。責任とれよ」


おれのせいですか?


「・・・こうなったら」


はい?


「私、もっと頑張ります!」


「は、はい。頑張ってください」


根岸サンはおれの腕を強引に取って、歩き出した。


・・・えーと。


なんか、この子のペースに振り回されてる。


「樋口、ホントに知らんのか?こいつを」


おれをはさんで根岸サンの反対側を歩いてる上野。


なんだか面白そうに笑ってる。


言葉にすると更に失礼な気がして、おれは無言でうなずいた。


「こいつ、中1までは無名だったけど、中2の中ごろから急成長して、中3で県大優勝しとるぞ」


ほほォ~。


そんな実力の持ち主なのか。


「しかも1年しか違わないのに、それを知らんってのはな。あきれたな」


だって興味なかったし。


これも言葉にできません。


けど、腕を引っ張られるってゆーシチュエーションはいいな。


こーゆー体験もしたことない。


同学年やおれの先輩たちは、いつもおれを遠巻きに見てた。


避けられてるワケじゃなかったけど、積極的に近づいてくることもなかった。


おれはいつも一人だった。


仲間なんていらないとも思ってたし。


けど、遠ざけてたのはみんなじゃなく、おれだった。


反省。


おれの心の視界が急に開いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ