表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうかご自愛を・・・  作者: かのい かずき
21/155

罰(6)

翌朝、おれは母さんに連れられて病院へ行くこととなった。


「よっくん、お母さんお仕事あるけど、ちゃんと診てもらうのよ?」


「分かってるよ。子供じゃないんだから」


いや、まるっきりの子供だな。


結局、一晩徹夜してしまった。


喘息は夜になるとひどくなる。


吸入薬はすぐに効くけど、副作用も強いから何度も使えない。


「樋口さん、どうぞ」


受付から呼ばれたおれは、眠さによろめきながら診察室へと向かった。


「よォ、樋口クン。久しぶりだねェ」


おれの担当医、笹川先生。


女医なんだけど、性格はまさに男。


「喘息の再発かァ。困ったね~」


なにが困っただ。診察しろ。


カルテを見ていた笹川先生は、チラリとおれを横目で見た。


心の中までのぞき込むような目から、おれは顔をそむけた。


「さては恋でもしたかな?」


おれの血が頭へのぼる。


「ち、違います」


「ふうん。ま、いっか。もうそんな年だしね」


違うっつってんだろ。


「極度の興奮が心的ストレスとなる、か。まァ、ないわけでもないか。どれ、服脱げ」


おれは上半身の服だけを脱いだ。


この先生は聴診器を当てるだけでも脱がせる。


「雑音、まだあるね。にしても、イイ体になってきたじゃない。中学のときに比べたら格段ね」


おれは顔を真っ赤にしながら服を着た。


「あれ、怒った?ゴメン。じゃ、本題に入ろうか」


今までは診察じゃなかったのか。


「医師としては、あまりスポーツは勧められないね。これは前にも言ったけど」


そう。中学のときもそう言われた。


適度な運動ならまだしも、体に負担の大きいスポーツは、なるべくなら避けろと。


「でも、やめられないでしょ?」


「……はい」


「命にかかわるとかってほどじゃないけど、キミの場合は心的要因が大きいのよ」


「ストレスなんて、ないですよ」


「それはキミが自覚してないだけ」


カルテになにやら書き込みながら、笹川先生は続けた。


「すでにストレスとなる要因を見つけてるよ?」


はい、なんでしょう。


「素直になりなさい。あなたの年頃になると、当然のことなんだから」


はい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ