22章 おれたちの未来は・・・(4)
「はい?」
「すぐに分かったわ。雅樹さんの言う大切な友人ってのが、あなたのことだって」
「ち、違いますよ」
否定はしたけど、かんじゃった。
瑞穂さんはクルリと振り向いて、おれをガン見。
「隠さなくてもいいわ。雅樹さんの表情、昔の大切な友人を思い出してるときと同じなんだもん。すっごく幸せそう」
「・・・・・・」 どう言えばいいんだろ。
「・・・私、本気だった」
おれを睨みながら、瑞穂さんの目には涙が溜まっていく。
!!
ど、どうしよ。
とりあえず、 おれはハンカチを取り出して、瑞穂さんに渡した。
「やめてよ!ホモのくせに!気持ち悪い!!」
差し出したハンカチを、瑞穂さんは激しく払いのけた。
ハンカチが ゆっくりと 落ちていく。
そうだね。
ホモだもん。
しょーがないよね。
怒りもない。
それが事実だから。
偏見はいつまでたってもなくならない。
それはもう、覚悟してたことだから。
落ちたハンカチを拾い上げる手がちょっと震えた。
面と向かって言われると、やっぱちょっとショック。ハハ。
「マサキのために、婚約を破棄していただいて、ありがとうございました」
おれはそれだけを言うのが精一杯だった。
深々と頭を下げて、そのまま帰ろうとした。
「・・・待って!」
振り返ると、瑞穂さんはぽたぽたと涙を流してた。
「ご、ごめんなさい」
「いえ、事実ですから」
「ごめんなさい」
「いいんですよ」
「ごめんなさい!」
瑞穂さんは涙を流しながら謝り続けた。
おれは握ったままのハンカチを振るって、もう一度瑞穂さんに渡した。
彼女は、今度はそっと受け取ってくれた。




