21章 1つへ・・・(7)
「お取り込み中、申し訳ないんですが・・・」
ミサキさんがドアから顔を覗かせた。
「取り込んでねェよ」
・・・いや、マサキってば、これから取り込もうとしてた。
おれはベッドに腰をおろし、その腰はマサキの腕で完全ホールド。
「な、ガ、マサキ。ちょ、ちょっと離れようよ」
おれは赤面してマサキから離れようとした。
「ナガマサキって誰だよ」
ニヤニヤしながら、おれの腰をぎゅ~っと抱き寄せた。
「ダ、ダメだってば。ミサキさん、お話があるみたいだし」
「はい。緊急事態です」
「なんだよ。今からいいトコなのに」
マサキは残念そうにおれを解放してくれた。
いや~、熱いわァ。
おれは手で顔をパタパタと扇いだ。
「で、なんだよ」
「瑞穂さんが来られるそうです」
「・・・瑞穂が?」 誰?
なんて聞くまでもない。
恐らく、婚約者。
マサキはその瑞穂さんのこと、どう思ってるんだろ。
「おれ、帰ろうか?」
「いや、いてくれ。大事な話になりそうだ。お前も含めてな」
これから修羅場ですか?
に、逃げたい。
けど、マサキだけにつらい思いをさせるワケにはいかない。
「・・・分かった」
「木崎さん、通してもらってもいいかしら?」
木崎さんの背後から、リンとした声が響いた。
「は、はい。もうお着きでしたか。お久しぶりですね、瑞穂さん」
「そうね。そちらもお元気そうでなによりですわ」
『ですわ』なんて、はじめて聞いたぞ。
ミサキさんがドアを大きく開けると、ショートカット髪をボーイッシュにスタイリングした女性がいた。
クリーム色のスーツをびしっと着こなし、絵に描いたようなキャリアウーマンって感じ。
「雅樹さん、お加減はいかがかしら?」
・・・なんか、上から目線なんですけど。




