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どうかご自愛を・・・  作者: かのい かずき
108/155

リセット(2)

「ね、おれの車で話さない?ここじゃナンだしさ」


「そうだね。じゃ、お邪魔します」


「どうぞ」


ガイさんの車は、おれの停めたところの反対側の駐車場にあった。


・・・こりゃまた。


スポーツワゴン。


しかも高級車に分類されてる輸入車。


さすがお金持ち。


「ブルジョワなんだね」


知ってるけど、知らないフリ。


「そう?たいしたことないよ」


そんなセリフ、おれも言ってみたい!


助手席に乗り込み、ドアを閉じる。


「おォ~、高級車の音!」


ドアを閉じたときの厚みのある音。


それには純粋に感動した。うっかり素に戻ってしまった。


「面白いね。ヒロくんって」


ハッとなって焦って取り繕った。


「え、そ、そう、かな」


運転席からおれを見るガイさん。


ど、そうしよ、目が合わせられない。


今のおれは、見知らぬ人と初めて会ったときのような感覚だ。


思い込むってスゴイ。


どうやら自己催眠はうまくいったようだ。


でも、わずかに残る冷静さが動き出した。


「ガ、ガイさんってさ」


ちょっとさぐりを入れてみようかと思ったんだけど、さえぎられた。


「ガイでいいよ。おれもヒロって呼んでいいかな?」


「は、はい!大丈夫です」


なんで敬語なんだろ。


ガイはクスリと笑った。


「かわいいね、ヒロ」


─────────


それがおれとガイの出会いだった。


なんてフレーズ、かなり古い。


安っぽいドラマみたいだった。


けど、ちょっと違う。


2度目の出会いだったから。


そして、おれは選択を間違った。


あのとき、ちゃんと言っておけばよかったんだろうな。


おれが「樋口」だって。


けど、言えなかった。

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