初めての再会(7)
おれって、結構惚れっぽいのかな。
なんて思いながら、仕事してた。
仕事は仕事。
きっちりやらないと、遊びがつまらない。
そして、仕事が終わり、一度家に帰った。
母さんには、事前に会社の送別会があるからって言っておいた。
大岩さんの送別会はあるけど、今日じゃない。
母さんにつくウソ。
もう何回目だろう。
このウソは墓まで持っていく。
その覚悟がなければ、ゲイはやってられない。
カミングアウトすれば別だけど。
部屋で今持ってる中で一番気に入ってる服に着替えた。
それと、自分で作ったネックレスにリング。
これで完全武装。
まるで勝負しに行ってるみたいだ。
なんだか、ソワソワして落ち着かない。
気持ちがはやる。
車で待ち合わせ場所のコンビニまで走る。
ソワソワソワソワ。
ちゃんと間に合うように逆算してるのに、つい焦ってしまう。
落ち着け。
会うだけだ。
そして、
コンビニに着いた。
ケータイでメールをチェック。
運転中にメールがあったかもしれないから。
ケータイのボタン操作すらも間違うくらい、おれはドキドキしてた。
メールが1件。
ガイさんからだ。
<10分ほど遅れるけど、必ず行くから。待っててね>
5分前の着信だ。
<今、着いたよ。お待ちしとります。格好は・・・>
おれは最後に自分の格好を伝えた。
どんな人かな。
ケータイが鳴った。
ガイさんだ。
<了解。もうすぐ着くよ。ついでだけど、おれ、多分、意外に思うかもしれないけど、リーマンなんだ>
意外って、どう意外なんだろ。
おれは車から降りて、コンビニの外に立った。
来る途中で買った缶コーヒーをちびちび。
右手ではケータイを意味もなくポツポツ。
人が近づいてくる。
分かってたけど、顔を上げられない。
「ヒロくん、だよね?」
その声を聞いたとき、一瞬感じた懐かしさに頭の中がクラリと揺れた。
・・・・・・。
ワケが分からないまま、顔を上げた。
そこにいるのはガイさんに違いない。
おれをヒロと呼んだから。
けど、
・・・その顔は、
その人は・・・。
・・・中沢。
どうして?




