初めての再会(6)
その日から、毎日のようにメールをした。
楽しかった。
ガイさんの会話はネタが豊富。
どうやら雑学派らしい。
けど、おれも負けてない。
ときには雑学披露合戦みたいなことにもなった。
メールのやりとりの2ヶ月は、あっという間だった。
「小森クン、最近、楽しそうね」
大岩さんが話しかけてきた。
鼻唄まじりで商品を出してたおれは、振り返って、へへっと笑ってみせた。
「はい。面白い人とメル友になったんで」
「そう、よかったわね。で、一つ、話があるんだけど」
「はい。なんでしょう?」
「私、転勤なの」
・・・テンキン?
「なんで?」
「それが会社の意向だからよ」
いや、そんなことを聞いてるんじゃない。
「でね、小森クンには今後のことも考えて、スキルアップをお願いしたいの」
転勤の話はどこへ・・・?
「パートでも主任クラスになれるの。転勤もないし、給料も上がるわ。あなたにぴったりと思うんだけど、どう?」
自分のことを差し置いて、おれにこんな助言をしてくれるなんて。
「はい!受けてみます」
おれは大岩さんの好意を無にしたくなかった。
<今度、昇格試験受けるんだ>
<頑張ってるね。あまりムリすンなよ>
<ありがと。頑張るよ>
<な、今度、会ってみないか?>
ガイさんのメールに、おれはちょっとだけ迷った。
一瞬かすめた中沢の顔。
それを振り払って、おれは返事。
<うん、会おう>
そして、日時を決めた。
3日後。A市とS市の狭間にあるコンビニ。
<じゃ、楽しみに待ってるよ>
ガイさんのメール。
おれは胸の高鳴りを覚えた。
どんな人なんだろ。
おれはまだ会ったことのない人を好きになりかけてた。




