別れ・・・
♪~♪~
来た!
彼からのメール。
「ね、読んでみてよ」
同僚の女の子たちは興味しんしんだ。
おれはケータイを開き、メールボックスを開いた。
着信は、もちろんガイからだ。
ドキドキする。
あんなメールを送って、ガイは優しく返事をしてくれたんだろうか。
ガイのメールを指定して開く。
文面は・・・。
「ごめん、そういうのマジ勘弁。おれにはそういう重いのムリなんだ」
ちゃんと読めたのは「勘弁」まで。あとは尻つぼみ。
だけど、身を乗り出して聞いていた女の子たちにはマル聞こえだ。
おれはメールを閉じて、ケータイをパタリ。
バカなおれ。一度読んで、音読していいものかを確認すればいいのにさ。
全部読んじゃった。
震える手でケータイを握り締め、作り笑いで顔を上げた。
「フラれちゃった。・・・へへ」
いっときの沈黙のあと、彼女たちは、
「サイテー」
口々にそう言った。
おれにではなく、彼にだ。
そうだね。サイテーだね。
おれもそう思う。
けど、彼女たちは、おれがどんな内容のメールを送ったのかは知らない。
「でも、いい人だったんだよ。あまり悪く言わないで」
一応、フォロー。
フラれた男にそんなことしなくても。と彼女たちの顔が言ってる。
正直、泣いてしまえばよかった。
けど、おれは男だ。人前では泣かない。
てか、独りになっても泣かないだろう。
強がり?
そうかもしれない。
この寂しさと悲しさは胸を締めつけ苦しくさせる。
なにかの間違いかもしれない。
1分後には「言いすぎた」とメールが来るかもしれない。
・・・来なかった。
やっぱフラれたんだ、おれ。
この日、おれの、ガイを想い続けた7年と、願いのかなった1年ちょっとの恋は終わりを告げた。
ガイは知っていたんだろうか。
ガイと最初の出会いは「最初」ではなかったことを。