表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/131

マーキス・侯爵・辺境伯 フランス語?

令和4年8月15日、読んでいて文章がおかしすぎたので初めの部分を大幅に修正しました。


前回のロリ滅は~


院長先生が厄介事を持ってきた

想像通り、治療の依頼だった

これが評判になったら困るなぁ


やりたい事って忙しくなると積んでおくって事態になったりするよね……

 治療院が何時までもテントっていう訳にもいかなかったみたいで、本当に簡易な建物だけど、撤去された建物の跡地に越冬の為に、何棟か雪が降る前にと急ぎで建ててくれたんだよね。


 なにせこの辺りは豪雪地帯だからさ、テントじゃ一冬過ごすのは厳しい。ましてや病人や怪我人を長期間、置いておける施設ってなるとテントじゃね。


 こちらは職人さんじゃなくて、ギルド職員や冒険者たちが主体になって作業をしてくれたから、作りは甘いんだけど、皆の心が詰まった良い治療院になっている。各部屋に暖炉迄ついてるんだから十分立派なもんだよね。



 そしてそんな急作りの建物の申し訳程度の貴賓室の一室で、私の目の前で跪いている使者さんが一人。


 思わず、ため息が漏れそうになる。


 貴種のスケジュール管理、そして安全確保の為の機密保持の為なんだろうけど、こんな風に意表を突くのは止めてもらいたい。確かに数日後の範囲には翌日も入っているけど、普通思わないでしょ。数日後って言われた翌日に使者がくるってさ。


 心の準備をしている暇すらないじゃない。こんな事して楽しいのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間……っとここまででやめとこうか。混乱して有名コピペで遊んでいる暇はない。



 元赤らの報告を受けて、やはり辺境伯も私をただならぬ者として、平たく言うと神か邪神だと確信したらしい。使者さんが随分と丁寧な対応だし、徐に一般ピープルに対して片膝をついて礼を取り始めた。ただの大魔法使いに対する礼としてはやり過ぎだと思う。


 人の目が元赤くらいしかないから良い様なものの、誰かに見られたら外聞がよろしくないじゃない。



 使者として立場もあるだろうから仕方なしに頭を垂れるんでしょうけど、相手が下げられたいと思っているかどうかまで察してくれれば完璧なのにね。


 油断していた隙に使者がやってきて、訳も分からないまま土下座に近い事をされる私の身にもなってほしい。




 院長先生から数日以内に辺境伯が使者を送ってくるって話だったけど、翌日には使者がおくられてきた件が一つ。次に急に片膝を地に付けて頭を下げられたのが一つ。



 ま、前述のとおり、翌日に来るなら院長先生が言っていた範疇内だし、使者さんも大事なお役目だと思って礼儀正しいのかなって流せばして済ませてしまえばいいんだけど。



 随分と丁寧な礼をした後の開口一番、使者さんが自己紹介した時が一番驚いた。なんせ、この使者さんが辺境伯様ご自身だったから。とっさに膝をつくのをやめてもらって、元赤がフォローしてくれたおかげで醜態をさらさずにスムーズにソファーに座って話を始める事が出来たけど、これ私一人で会っていたら絶対混乱して、暫くの間、なおってよいって一言もでなかった。


 冷静でも出ないわ。そんな偉そうな言葉。



 なんか元赤が私の護衛兼傍周りのなんていうの?秘書的な?そんな感じの人に見えたよ。本人がどう思っているのかは兎も角。


 あぁ、側仕えとか取次とかか。



 他の人の目が無いからって、本当にこの神様邪神様扱いは止めてほしいのだけれども、そこを追及しても、「解っています。今後はあくまでも冒険者のエリー、高位治療魔法行使者のエリー様として接しますのでご安心くださいませ」って言われて、話にならない。



 こんな反応がデフォルトって事は、この世界の他の神様邪神様も現地人の一人として溶け込んでいて、知っている人だけは知っているって状態なのかもしれない。もしかしたら私も知らない内にこの世界の神様邪神様に会っていたりしてね。




 辺境伯側からすれば、私はただただ、得体のしれない存在なんだろう。それでも私以外に自分の身内の治療を任せられる人がいないから、関らないと言う選択肢がない。


 やり取りを家臣に任せる事もできるけど、もし私が本当に神様だったら無礼になると考えたのかも。本当に相手が神の様な超越者であった場合、派遣した家臣の接し方一つで買わなくてもいい怒りを買うかもしれない。


 使者や自分の身一つだけなら兎も角、エステーザや家族を巻き込む事は避けたいわよね。


 万が一にも神の怒りを買わない為に、自分自身が直接会いに行くのは当然の選択。まずは自分が従順なる羊である旨、つたえて、不躾な依頼に対して寛恕を請うつもりだったのかもしれない。



 確かに、私は分類するなら多分邪神側だし、言ってしまえばこの世界の外の神様に仕える神の端末だから、対応としては間違ってはいないのかも。


 人の身にとってみれば外だろうが内だろうが、人を超越した力を持つ存在として、どっちも似た様なものなんだろう。人として接してもらえるとありがたいけど、端末わたしについて細々と態々説明するつもりもない。から、仕方ないっちゃ仕方ないんだけれどもね。



 うん、外なる神って間違いじゃないけど、こういう言い方すると、なんかあの神話を思い出すわよね。比べてあんまり違和感がないのが悲しいけど。邪神的な意味で。



 現実から軽く逃避している間にも、目の前でソファーに座っている辺境伯様、が何かしゃべっている。隣で元赤が、此奴右から左に受け流していて話を聞いていないなって顔をしているけど、その通り、正解だよ。



 「いきなりの話で彼女はまだ混乱しているようだ。マーキス、少し落ち着いた方が良いかもな。」



 おおぉ?マーキスってフランス語で侯爵とか辺境伯って意味じゃね?元赤が爵位の意味でマーキスって呼んだわけじゃなさそうだから、これってエステーザ辺境伯のファーストネームかファミリーネームだよね?


 奇跡的な符合に思わず辺境伯様、を見つめてしまう私。いきなり見つめられてドギマギしている辺境伯様。改めて見ると結構若い。ちょいとかっこいいじゃん。


 え、私勝手に50歳位のおじさんかなと思っていたけど20台そこそこのお兄さん、って感じの赤髪のイケメンさんやん。元赤よりも5~6歳上って感じ。


 辺境伯様の所が最近代替わりしたって噂は聞いたことないけど、下々の私達には生活に直接関係ない話はあんまり流れてこないから仕方ない。



 「いや、想像よりもお若い方だったので、少し驚いてしまって。偉い人たちってなんか、皆それなりにお年を召している方が多いですから。」



 「それは単なる偏見だな。一度ひとたび事が起きれば、前線で兵を率いなくてはならない立場の者も多いからな。マーキスの所は兎も角、大体何処も自然と代替わりが早くなるのさ。


 呑気に年をとり、馬に乗れなくなっても地位に留まれているのは私の父位なものだ。流石に王が前線で兵を鼓舞する訳にもいかんからな。」



 「あぁ、私は14で家督を継いだんだ。父は早くに引退せざるを得なかった。今回の一件に関係のある事なのでね。


 気になる事があるのなら、質問して欲しい。」



 質問と言われても、まず魔法治療の依頼だという事は分かっているけど、裏を返せばそれしかわかっていないから、自然と聞きたい事も当たり前の事しか頭に浮かばない。


 何時、何処で、誰をって奴だよね。院長先生のお話だと、対象者は何人かいるって話だし。その辺りも確認しないと。



 「そうだったな。先程の挨拶の際に、説明した筈なんだが、緊張していて早口で一度に話したものだからな。


 正直、人ならざる者達、神、および神に連なりし者達と直接顔を合わせて話をする機会なぞそうは無いからね。さっきから緊張しっぱなしで喉が渇いて仕方ないんだ。


 っと、失礼した。もう一度最初から説明させてもらおう。」



 あ、すんません。聞き流してしまっていました、はい。


 ニコッと笑う赤髪のイケメン。そこには高位貴族にありがちな鼻持ちならさっていうか嫌な部分は一切感じない。地位に伴うそれなりの苦労はあるのだろうが、底辺の苦労をしたことの無い高貴な純粋培養のボンボンとも少し違う感じの好青年。


 あぁ、育ちのいい苦労人って言葉が浮かんですっと胸に落ちた。


 って、おぉぅ?なにをするっておぃ。



 「自分の立場を考えてから話を始める事だな。お前が何人目の妻を娶るとしても、私の関与するところに無いが、君の行為が人類種の害悪になるのなら、私はこの場で君を切り捨てなくてはならなくなる。」



 「おっと、ついいつもの癖が出てしまったようだね。失敬、フードからチラッと見えた君の美しさについ我を忘れてしまっていたようだ。」



 お偉いさんと会うのだからと、薄衣を取り払ったのはまずかったか。


 あんまりにも自然に対面から私の側に跪いて私の右手を取る彼に、一瞬でも警戒をすり抜けられてしまった自分に、その両方に少々呆然としてしまった。


 若き苦労人の高位貴族の当主でイケメンの難破男かい。しかも妻帯者。この世界、多重婚は問題ないけれど、そうじゃない世界だったら男女間のトラブルが絶えない辺境伯として名を遺したでしょうね。こりゃまた厄介な属性をそろえてくれたもので。


 高位貴族で女好きの難破者なんて、厄介者でしかない。



 ただ、彼の緊張も私の緊張もこの一件で良い具合にほぐれたのは事実だから、狙ってやったとしたら、此奴なかなかな狸だね。



 「貴方に治療魔法を使っていただきたいのは三人。一人は我が父、先代エステーザ辺境伯で現在は隠居して内側に引っ込んでいるが、左足を失い、右足も動かなくなり、一人では馬にも乗れなくなってしまった。


 お察しの通り、負傷した折、現地に治療を施せる治療魔法行使者はいなかったのと、直ぐに治療を施せない状況にあったのでね。命を保つので精いっぱいだったようだ。切り取られた足の回収もままならなかった。」



 いや、察していないけど。最初の挨拶の時よりも幾分ゆっくりとしたペースで赤髪のイケメンは話を続ける。


 それでも結構早いけどね。どうでも良いけど、個体わたしって今回の人生では、赤色に運命付いているような気がするんだけど、気のせいかな。赤いローブに赤い人に似ている金髪さんに、赤髪のイケメン。


 単に個体わたしの思い込みって線が濃厚だけど。


 それと、関係ないけどさ。何となく赤毛のイケメンって薄幸で早死にしそうなイメージがあるよね。



 「残り2名は私の叔母に当たる、私の可愛い妹分の女性と、私の実弟だ。この二人も、魔の森での戦闘で深みに入り込み過ぎて、戻るに戻れず、何とか命を長らえることは出来たが、叔母は体中に火傷を負い、今でもその後が醜く残ったままだ。


 弟は左手と左足を亀に食われた。」



 ぉぃ、弟さんに関する情報少なすぎ。亀ってあれかな、川の北側にテリトリー持つ亀形の竜種、マッドトータス。私的通称、ミドリガメのバケモン。雑食で大食らいだって話だけど、魔の森の奥まで踏み込んで亀さんのテリトリーにでも迷い込んじゃったのかな。


 それとも、テリトリーからたまたま出てきた亀さんに絡まれたかな。そう言えば縄張り争いしているもう一つの方の亀さんいたけど、そっちの方の話はこの辺じゃあんまり聞かないのは何故だろう?


 どうあれ、どっちにしろ不幸よね。



 端末わが2回目の人生の友人曰く、イケメンの悲痛な表情はそういう趣味の変態ならそれだけでご飯三杯はいけるそうだ。友人と同じ性別になった今でも理解はできないけど、ただ、目の前のイケメンから感じる心の動きは悲しみ一色ではなく複雑だ。それぞれの感情が強く内に籠っているせいで、私は美味しい。


 感じるのは悲しさと悔しさ。後は仄暗い喜び。人は単純じゃないからね、そう言う事もあるんだと思うんだけど、年下の叔母さんに何か特別な想いでもあるのかもしれない。ただ、既に満たされた、そんな感じも受ける。後悔の念も感じるから、自分の仄暗い喜びに後悔の念を抱いているのかもね。


 その辺の細かい部分は、解析の為の魔法を使ったわけでもないから分からないけど。



 「この二人は父と同じく、内国で静養しているが、父は回復すれば優秀な戦士であるし、当主の私に代わって前線に出ることも出来るようになる。


 叔母もまだ17だからな。既に命を賭けて義務を果たしたのだから、今度は女としての義務、というか幸せになる権利を行使してもらいたい。出来れば好いた相手と、な。


 弟も貴族としての義務を果たしたのだから、可能なら人生をやり直す機会を手に入れてほしいと考えている。」



 好いた相手と、と語るとき、彼の心が実に複雑な味を振りまいてくれた。嫉妬、後悔、懺悔、恋慕、情欲、支配欲、相手を従属させることに対する喜び。あぁ、これは色々アウトかも知れない、けど私から関わり合いになる心算は無いから、指摘するつもりもない。



 醜いやけどを負った彼女を、彼は一体どうしたのだろうかって疑問の答えは、さっき彼から感じ取った感情の波動と一緒に受け取ったイメージでなんとなくわかる。


 叔母さんの火傷が治らない事を願っていて、同じくらいに治る事を祈っている辺り、自分でもどうしたらいいのか分からないのだろう。当主であるのだから、父や実弟だけじゃなく、叔母も治療できるのなら治療しないわけにはいかないからね。


 そうしなければ辺境伯家が治まらないでしょうね。年齢からして、お父さんや親族の影響力はまだ強いだろうから独裁を敷く事も難しいだろうし。勝手な想像だけどね。



 でも、確かこの世界の近親婚ってさ、実の父、母、兄妹じゃない限りは問題なかった気がするんだけど。王族や貴族だと端末わたしの世界でも中世時代なら色々理由を付けてか知らんけどオッケーな時代もあったようだし?



 事実婚状態なら、治療を終えた後に再度彼女を求めてみたらどうだろう?意外とそのまま受け入れてくれるかもよ?細かい事情が分からないから、もしかしたら刺されるかもしれないけどね。



 こっちの世界も元の世界も、お偉いさんは色々とねじれちゃってるなぁという、偏見に満ちた感想を飲み込んで、魔法治療に関して了承の旨を告げた。



 私としては断る理由もないからね。



 冬の間は三人をエステーザに移動させることは難しいので、雪解けを待って三人をエステーザに招く事。治療に関しては本人たちには話さずに、なにか適当な理由を付けて連れてくる事を伝えらえる。


 治療費については見てからじゃないと正確な事は言えないけど、お父さんと弟さんに関しては四肢欠損2カ所の治療に準じる事になるかもしれない旨、説明する。


 完全に欠損して、くっつける部分もないわけだから、一か所に付き、多分銀貨1000枚じゃ効かないわよね。


 叔母さんに関しては、火傷の自然治癒後のケロイド状態の皮膚を奇麗に治す必要があるから、これも通常の治療魔法では治せない。ただ、これに関しては以前取得した美肌の為の魔法で事足りるんだよね。


 いや、やってみないと確実な所までは分からないけど、多分、大丈夫だと思う。って事はさ、流石に四肢欠損と同レベルの金額はとれないよね。



 金額が大きくなりすぎると、叔母さんが万一彼をストレートに想っていたとしても、歪んでしまう可能性もある事だし。


 イケメンさんには、肌に関しては四肢再生程費用はかからないかもしれない旨伝えて、実際に見てからでないと金額は見当がつかないと伝えておく。


 

 火傷が酷いとさ、表面の皮がひきつれて動き辛くなる。見た目だけじゃなくて、そう言う点でも辛いだろうから早く何とかしてあげたいけど、雪解け迄は我慢してもらうしかない。


 ま、ご本人たちは直してもらえるなんて考えていない訳だから、その時が来るまで今までと同じように淡々と日々を送ってくれるだろうけど。




 イケメンさんからは、治療の結果を王家に伝える事に対する了承を得たいとの事で、もしそれが私にとって不快であるのなら、報告は控えるという話。報告させないとしてもさ、今まで動けなかった前辺境伯やその息子がぴんぴんとして活動を始めて、社交に出なくなったはずの前辺境伯の姪っ子がドレスを着て社交に出てくれば、まぁ、口止めの意味無いよね。



 まさか、折角治ったのに今までと同じく閉じこもって静養していろなんて言えないし、それじゃ何のために治したのか分からない。突然の症状の回復に、周囲の好奇の目が五月蠅くなるだろうし、黙っていても碌な事にはならない。



 色々と思う所がないわけじゃないけど、相場なりの報酬が、無秩序な治療依頼の牽制になる事を信じて、了承しておいた。



 雪解け頃には概算で銀貨4000枚以上の収入か……。まだ取らぬ狸の皮算用だけど、約5億円、か。それでも約一月分の稼ぎ、って所が私の金銭感覚を狂わせてくれる。



 いい加減そろそろ、使う事考えないとね。

読んでくださり、ありがとうございました。

評価や感想をくださると私が喜びます。

いいね!を押してくれても嬉しいです!



最近、書き物をしている最中に飴ちゃん舐めるのがマイブーム。

金のミルク、美味しいやん。


冒頭部分を大幅に修正しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ