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ちょっとしたお買い物と私がねじれている理由

前回のロリ滅はどんなんやったっけ


初めてのレストラン

マナーが頭から吹っ飛んだ

ついでに元赤が吹いた


こんなんでました

 ダンジョンの異変とやらが気になるし、トラブルやイベントに参加できなかったという思いが、ちょっとした悪戯心を産んだと言えなくもないけど、まぁ、何故かあの後元赤が少しおかしくなった。


 ネタバラシしようかなとも思ったけど、分霊わたしから逆なでするだけだからって止められてしまって、未だに勘違いされたままである。なんでもこの世界、あのくらいのエロガキでもプロポーズが「子供のいう事だから」、で簡単に処理されなくてマジに受け取る事もあるらしい。


 その上恐らく、平民でも中流以上、上流の平均前後だろう家柄だと推察されるから、エロガキがマジなら強引にでもねじ込んでくる可能性もあるみたいで……。


 しかもあの時、個体わたしは呆れて明確に拒否をしなかったから、悪い気はしていないイコール気が無くもない。で、後日日を改めて申し込めばいい返事が返ってくるかもしれない、と思われてもおかしくないんだってさ。


 ひょんなことから巷で有名になった魔法使いを取り込めるかもしれない、と考えても不思議はない訳ね。元赤がそんな風に考えてもおかしくないって言うのが分霊わたしの予測した可能性の一つらしい。




 私が何の力もない小娘なら、息子の気に入った外街の貧乏暮らしの女一人、どうとでも出来ると考えるかもしれないし、偉大なる魔法使いであったとしても女であるのは間違いないのだから、いずれ誰かと結婚して子を産むだろう。


 その相手が自分の息子であっても何らおかしくない、ってまぁ個体わたしの内側を知らなければそういう結論に至る可能性は普通にあるわね。


 全ての裕福な家庭の人達がそんな風に考える訳じゃないけど、そう考えて実行しても不思議じゃないお国柄?いや世界柄って言えばいいのかな。



 やめて全然わろえない。相手にする気は無くてもその厄介な状況についつい心の中で頭を抱える。




 平均結婚年齢十代前半なだけあって、中々無茶な話だけど。いくら何でも初対面で、しかも公衆入浴場で真っ裸見られたままいきなり告られてから、そこまで考えろって言うのはちょっと難しくない?


 この場合、少年をロリコン認定して良いのかな?彼からしてみれば私はおねーちゃんだし?でも私の体付は完全ロリだし、そういうのが良いという認識のまま大人になれば立派なロリコンだし、討滅対象である。


 まだ小さいうちに突起物をちょん切ってしまった方が世の為かもしれない。



 でも現状のままくっつくと私の方がショタコンになってしまうのでは?いやいや、私にその気はないのだから何らかの理由でそうなったとしても私はショタコンにはならないはず。


 うん、流石に少年から性欲は感じなかったよ?何やら不思議な好奇心とおもちゃを独り占めするような独占欲、あとは普通に好意は感じたけど。





 色々聞きたそうな、不安と不満の感情を胸の内でグルグルさせながらも、一切表情に出さずに微笑んでいる元赤をつれてお店を出る。それなりに強い感情が私に向かって来るから美味しくて、少々申し訳ない。ちょっとだけ含まれる怒りの感情がピリリとアクセントになってベリーグッ。


 あ、だけど何でこんなに不満の感情が彼を苛んでいるのだろうか。元赤からすれば私は戦友であり師匠であり、治療院の、表面上は同僚である。ついでに護衛と質草。


 その気はないが、私が誰かに告白されたとしても何の問題もない気がするのだけれども。少なくとも今までの時点で彼から強い性的な感情を向けられた事は無いから、色恋じゃないとは思うんだけどね。あれかな、私の師匠に手を出すな的な?



 え?なによ分霊わたし、その残念そうな顔は。え?自分は外から見たらこんなに残念だったのかだって?そんなの今までの人生で散々経験してきているんじゃないの?


 ……今回は輪をかけて残念だって……。いくら男だからって美人なおねーちゃんに誰彼構わず性欲を向ける訳はないし、性欲が色恋のスタートだとは限らないって言われても。


 端末わたしの最初の人生はそんなもんだったと思うんだけど……。最初の転生の時は色恋の欠片もない状態で性欲だけで無責任無分別に種をまきまくっていた気がする。んで、そこから気に入った女の子を連れ歩いたり持ち帰ったりして更に励んでいた気が……。好きだ愛しているって言いながら。



 え?やめようって?それ以上端末、分霊、個体(じぶんたち)の心を抉ってもなにも良い事はないって?うーん、私はまだまだ子供だからよく分からんわ。


 ただ、男っていうか端末わたしって元から中々屑だな、とだけは理解できているよ?



 だから色々反省して、この手の記憶は分霊からも個体からも消えずに強く根に残っているんだろうけどね。




 武器屋に預けたショートソードを受け取ってきて、塒の皆にお土産と、ついでに「世界樹」によって補助具の材料取り寄せの相談、発注をしてからいつもの様に魔道具を見て回り、お店に置いてあったいくつかの素材と材料と、ついついちょっとお高い魔道具をまた一つ買ってしまった。


 また銀貨3ケタが飛んだよ。半分以上は材料、素材にかかった値段だけどね。



 購入した魔道具は、この世界独特な区別ではマジックアイテムの部類に入るもの、マジックリングだ。いやさ、魔道具もマジックアイテムも日本語か英語かの違いでしかないのは分かっているんだけどね、この世界の言葉を日本語に訳すると微妙に変わってくるんよ。



 「ありがとうございました。またのご来店を心からお待ちしておりますね。」



 にっこにこ顔のニューラさんに、オマケの葉っぱに包まれた小麦菓子を手渡されてお店を後にする。この所私がちょこちょこ買い物をしてくれるから、懐が温かいらしくて終始すっごくご機嫌な様子だった。


 癖なのか、胸元のネックレスに手をやる仕草や、反対側の手で軽くお腹を擦る仕草がまた色っぽくて良いんだよね。ついついニューラさんのその仕草を見たくなってお店に寄りたくなる。


 オマケにもらった麦菓子に目をやる。お茶菓子か……。うん、今度はマジックポットを買いにまた寄ろう。魔法のカップを買ったのは良いけど、自動でお湯が沸くわけじゃないからお湯を沸かす魔道具が欲しかったんだよね。


 もちろん、沸かそうと思えば直接液体に干渉して適温迄あっという間に温度を調節することは出来るけど、それをするのは野暮ってもんでしょう。



 でもそうなるとお茶の葉も欲しいよね。


 段々と物欲が出てきたなぁ。



 「また色々と買い込んだな。数種類の鉱物の砂らしき物に、植物の根や粉らしき物。液体の薬品を数種と小粒の質の良い宝石を複数、10個近いか?後はマジックリングか。


 工具らしきものも数種類買い込んでいたな。


 家一軒、建ててお釣りがくるほどの出費だ。」



 「貯めてばかりだと駄目だって言ったのはあんたじゃない。それにこれだけ使っても銀貨340枚くらい。先日の治療院勤務二日分のお給料すら使いきれていないんだから、どっちかって言うと使い足りないって問題しかないわよ。」



 呆れた様な顔で見られてしまった。銀貨340枚って日本円で約4千80万円位。令和日本でも田舎で土地込みで一軒家を購入できるよ。



 「金を使えとは言ったが無駄に散財しろとは言っていないはずだが?まぁ、この程度ならおかしな金の使い方じゃないが、程々にな。


 それで?その粉やら砂やらは見ても解らんし、恐らく聞いても分からんだろうからな。そのリングはどんなものなのだ?」



 今度は私が呆れ顔を返す。



 「わからんってさ、今はいいけどこの先も分からんじゃ困るものよ?この粉とか砂は魔法を使う際の触媒になったりするものよ。魔道具を作る際の材料にもなるんだけどね。


 幾らエステーザだからって、魔道都市じゃあるまいし魔道具職人がその辺にいる訳もないから、この辺で売っているこの手の物は殆どが触媒か武具を制作する際に使うようなものが多いわね。」



 以前に説明した、「オタクにありがちな自分の得意分野になると饒舌になるムーブ」だと気が付いて途中から苦笑いの元赤。呆れながらも「で?そのリングは?」と言葉短く再度聞いて来る。



 「ライトニングの魔法が5回分込められたリングよ。このリング一つで銀貨150枚、ライトニング一回分で銀貨30枚ね。なかなかいいお値段でしょ?


 パッと見たかぎり、魔術式はこの世界の平均より甘いしセキュリティも色々と穴だらけで干渉しやすい所があるけど。


 ……逆に言えば手を加える余地があるって事だし、発動に干渉してやれば結構面白い事が出来そうでさ。」



 そう言うと深いため息が元赤から洩れてきた。



 「この上魔道具に手を加える、か。以前に槍の研究がどうとか言っていたが、本当に魔道具を作ることも出来るみたいだな。そう言えば「世界樹」の店主にも何かを作るという趣旨の話をしていたな。


 あぁ、だから店主も驚いた顔をしていたのか。あれか?「良いものが出来ましたら是非当店にもお声をおかけくださいな。」ってそういう意味だったのか。


 魔法の発動回数と言い、腕が生えてくるところと言い、本当に何処まで非常識な存在なのか。


 察するに、さっき受け取った中途半端な状態のショートソードにも何かをするつもりかな?」



 私が返事をする前に「だからある程度奇麗にしてくれれば良いと言っていたのか」、と一人で納得している。私は時間内で出来る範囲で手入れをしてくれって言っただけだけど。


 あぁ、そう言えば私が魔道具を作れるOR作る予定って話、はっきりとは伝えていなかったっけ。魔法を使ってブーツやグローブを作った事は支部長さん経由で元赤にも知られてるけど、今度は元赤経由で支部長さんに魔道具作成について漏れそうだね。


 つーか全然気が付かなかったけど、ニューラさんに私が魔道具を作る心算だってバレちゃってるじゃん。いや、そういやそうだよね。魔道具職人ってこの世界じゃ治療魔法行使者よりも貴重な存在じゃん。私の情報セキュリティ、ボロボロやん。不味いじゃん。


 なに「良いですよ?色々と作ってみたいものが沢山あるんですよ。」だよ。情報リテラシー皆無の、無料無警戒大解放状態じゃないか。


 やった事無いけど開店したばかりの大解放状態のパチンコ屋さんよりも大解放状態だよ、これじゃ。



 あ、でも、ま、うん。元赤の胸の中の不安と不満とちょっとの怒りが、今回の件で吹き飛んで少なくとも個体わたしに届くレベルじゃなくなったから、とりあえずヨシとするか。

読んでくださり、ありがとうございました。

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TRPGでマジックアイテム類ってものすごい値段しますが、リアルで流通状況とか考えますと色々問題点が出てきますよね。


単価があほの様に高いせいで普通の店舗で販売していたら、治安状況にもよりますが命がいくつあっても足りないでしょうし、品物自体危険なものがありますから、盗んだ品物を利用することで都市一つ簡単に甚大な被害を出すことができてしまう。


警備兵が周囲を回っていてもその警備兵だって魔が差さないとも限らない。一度魔が差して懐いっぱいのマジックアイテムを盗んでしまえば、それだけで銀貨や金貨の山を拝むことができるって考えれば……。


お店のセキュリティは当然ですけど、防犯のために色々と法整備がされていてもおかしくないですよね。



……戦争時、混沌勢がマジックアイテム店を狙って突撃してきてもおかしくないですよね。制圧してしまえば、それだけでその地域の周囲を壊滅させる事も出来るでしょうし。

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