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金貨三枚で買った性奴隷が俺を溺愛している  作者: 結城 からく


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第49話 限界を超えて鍛え上げてみた

 翌日以降も鍛練の日々は続く。

 基本的にはビビと戦う形で技を磨き上げていった。

 風魔術を操る彼女の速さはとても勉強になる。

 職員の雷魔術とはまた違う強みがあった。


 何度も戦って分かったが、正攻法だと俺ではビビの足下にも及ばない。

 まあ、実践する前から予想はしていた。

 根本的な身体能力が違うのだ。

 おまけに魔術的な格差も大きい。

 指輪の充填魔力に頼らざるを得ない俺と、自前の魔力が平均以上のビビでは使える術の幅が異なる。

 まともな打ち合いとなると、俺が徐々に押されて負ける展開ばかりだった。


 ただし、手段を選ばずに戦う場合は結果が逆転する。

 すなわち俺が連続で勝利できるのだ。

 正々堂々とした戦略を捨てた途端、手持ちの策が輝いてくる。

 俺は全属性や薬品による変幻自在な攻撃に加えて、属性の同時発動まで習得した。

 それらを駆使してビビの戦い方を崩し、的確に追い詰めることができる。

 ビビが搦め手に慣れていないのもあるだろう。

 俺達は対照的な戦法を好むのだと改めて分かった。


 数日後、職員が治療術師を連れて戻ってくる。

 残りはこの三人の指導で進めるとのことだった。

 事情を聞いた治療術師は快諾したという。

 わざわざ出向いてくれるなんてありがたい限りである。


 しかし、そこからの鍛練は壮絶を極めた。

 ただでさえ過酷な内容がさらに跳ね上がったのだ。

 おまけに治療術師がいるため、多少の無茶は押し通していく。

 重傷を負っても即座に殴られて完治させられた。

 だから休むこともできず、時間感覚も失って戦い続ける。

 精神的な疲労はビビを癒しにして乗り越えた。


 そして決闘当日がやってきた。

 短い睡眠を取った俺は、無言で起き上がる。

 肉体は疲労を引きずっていない。

 当然だ。

 世界有数の治療術師がいるのだから絶好調に決まっている。


 目覚めた俺に職員が歩み寄ってくる。

 彼女は鞄から何かを取り出して差し出してきた。

 それは無数の鱗を縫い付けた衣服だった。

 受け取ってみるとそれなりに重い。

 裏地に頑丈な革が使われているようだ。


 職員は得意げに説明する。


「雷竜の素材でこしらえた防具っす。専門の職人に頼んで、大急ぎで作ってもらいました。これなら聖騎士の攻撃も防げるでしょう」


「貰っていいのか?」


「これは貸しにしとくっすよ。後で請求書を渡しますから負けないでくださいね」


「……分かった。感謝する」


 何から何まで用意周到な職員である。

 地上に戻ったのは、治療術師を呼ぶだけでなくこの防具を準備していたのだろう。

 当日まで明かさなかったのは、俺を驚かせたかったのだと思われる。


 苛烈な鍛練で防具が壊れたのでちょうどよかった。

 街で調達する手間が省けたどころか、高性能な防具を手に入れてしまった。

 一体どれだけの額を請求されるか分からないが、決闘に勝てるならそれでいい。

 借金だらけの生活も覚悟しよう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! ……何気に、主人公には「裏で協力してくれる味方が増えている」事が強みになってますね。 (あの杓子定規な聖騎士サマではこうは行くまい) [一言] 続きも楽しみ…
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