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金貨三枚で買った性奴隷が俺を溺愛している  作者: 結城 からく


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第24話 治療術師を訪ねてみた

 二人で街を歩いて移動する。

 目指すは紹介された治療術師の医院だ。

 紹介状には地図も記載されていたので間違えることはない。

 少し話しながら歩いていればすぐに着く距離だった。


 移動中、ビビは何かと俺を気遣ってくれる。

 トロールに受けた傷を心配しているのだろう。

 応急処置は済んだので割と平気だし、そう伝えたのだがビビの態度は変わらない。

 まあ、派手にぶっ飛ばされたところを目撃したのだし、仕方ないとは思う。

 普通は死にかねない威力だったのは事実なので、大人しく感謝することにした。


(これから傷を治すから、その心配も消えるんだけどな)


 俺はトロールに殴られた脇腹を撫でる。

 鈍い痛みが走るも、表情を変えるほどではない。

 治療術師の手にかかれば一瞬で片付く程度の傷である。


 そもそも治療術師とは、怪我を治すことを専門とする魔術師のことを指す。

 普通の医者のほぼ上位互換で、大抵の傷は治せるらしい。

 凄腕になってくると、死んだ直後なら蘇生すらさせられるという。

 そこまでの使い手は滅多にいないだろうが、治療術師の実力を知らしめるには十分な逸話だろう。


 ただし利用料金は高い。

 平民が手軽に通える額でないのは間違いなかった。

 だから治療術師の顧客は、高位の冒険者か貴族が大半だと聞いたことがある。

 俺も数えるほどしか利用したことがない。

 よほどの事情がない限りは普通の医者を利用するのが無難だろう。


 ちなみに治療術師は効力の高さから水属性の使い手が多い。

 さらに怪我の種類に応じて他の属性も習得するそうだ。

 基本的にどこでも重宝される存在で、治療術師になった時点で将来は安泰とまで言われている。


 俺も魔術による治療ができるようになったが、魔力量が圧倒的に少ない。

 治療術師として生計を立てるのは不可能だろう。

 ビビの風魔術も、属性的に治療行為との相性が悪い。

 回復手段にするのは難しいので、やはり治療術師になるのは厳しいはずだ。


「ちゃんと治るかな」


「問題ないさ。治療術師は切断された手足も繋げられるらしいからな」


「すごいね」


「まったくだ」


 間もなく地図で記された場所に到着する。

 普段は通らない区画であるそこには、奇妙な建物がそびえ立っていた。

 とにかく高さがある。

 廃屋ばかりの周囲と比べて明らかに目立っていた。

 増築を繰り返したような外観で、何階まであるのか分からない。

 より正確に言うなら、構造が滅茶苦茶なので数えようがないだろう。

 開け放たれた入口はかなり大きく、大型の魔物の搬入でもしているかと疑いたくなる。


(本当にここで合っているのか……?)


 少し不安に思いつつも、俺達は入口を跨いで室内に入った。

 そして、一歩目から立ち止まる。

 砂利が敷かれた地面が広がるその空間は、天井の隙間から日光が差して光源となっていた。


 中央には筋骨隆々の大女が仁王立ちしている。

 巨人族にしては小さいので混血だろう。

 それでも俺達と比べればかなりの差がある。


 大女は血と土で汚れたコートを着ていた。

 厳めしい顔で俺とビビを交互に見ると、ゆっくりと踏み出して近付いてくる。

 全身からは闘気が熱となって発散されていた。

 なんだかこれは不味い展開になる気がする。

 そう思った直後、大女が雄叫びと共に殴りかかってきた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >大女は血と土で汚れたコートを着ていた。 >厳めしい顔で俺とビビを交互に見ると、ゆっくりと踏み出して近付いてくる。 >全身からは闘気が熱となっ…
[一言] これが出会って五秒でバトルですかね⁇いやぁ〜大女が相手とは…
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