06
桃太郎さんたちは魂を置き月詠殿の方へ。
さて、私は国土交通省に参りましょう。
アマテラス様の部署は和室なので、
座椅子に座って閻魔様の伝言を伝えます。
「鬼たちが秋の慰安旅行か……
ふむ、各団体に分けて動けば可能やも知れぬな」
お茶を飲みつつ頬杖をつくアマテラス様。
「移動は龍があるので問題はないかと――」
「それは僥倖、其方はよく気付いて助かる」
まあ、得意なのはそれくらいですから。
「くくく、楽しみじゃのう。
天界に鬼が来るとは……さてもさても面白い」
元来、悪戯好きなアマテラス様。
これは可決しそうですね――そうそう。
「閻魔様から観光庁の方々を
閻魔殿に寄越して欲しいと頼まれました。
――どうやら彼らを接待するみたいですね」
「成程な、うむ十分気を付けよう。
さて、これより緊急会議をする!
ホスセリよ、暇ならば参加してくれまいか?」
暇では有りませんよ、かぐや姫が待っています。
「申し訳ありません、アマテラス様。
これからデパート支店へ行くのです」
「妾が頼んでいるのだぞ?」
うっ、キレかけのアマテラス様は怖いです。
「イ、イザナミ様のお遣いですから……」
カタカタしつつも信念を貫きますよ、
かぐや姫を怒らせるのも怖いですからね。
「はあ、母上の頼みなら仕方あるまい。
――無論、其方一人で行くのだろうな?」
「いえ、かぐや姫と参ります」
じっと見つめてくる、アマテラス様。
「誘ったのか?」
「誘われました」
割と強引に……女性陣は強い人ばかりです。
「ほほう、楽しんでくるといい」
「慰安旅行の件、宜しくお願いします」
閻魔様は色々大変みたいだし、
早く気持ちを楽にしてあげたいですからね。
「ふふふ、全て妾に任せろ」
ニヤリと微笑むアマテラス様。
何故でしょう? またもや背中がゾクゾクしますよ。