僕は20年後のキミと結婚する!
これは! 僕の20年前のお話、、、。
僕は21歳の時に、田舎から都会に憧れて出て来て、一人暮らしを
始めたんだ、、、!
僕の引っ越してきた、マンションの僕の隣の部屋には、新婚さんで
産まれたばかりの女の子を、まだ僕より少し上のお姉さんが抱いていた。
『可愛らしい赤ちゃんですね! 男の子ですか? 女の子ですか?』
『あぁ~女の子なんですよ~!』
『じゃ~パパ似かな?』
『そうなんですよねぇ~! パパにそっくりなんですよ~!』
『元気に育ってくれるといいですね!』
『そうですね!』
*
僕はそのマンションには、1年ほどで引っ越してしまった、、、!
それまでは、この若い夫婦と仲良くさせてもらっていたと思う...。
何故か? 隣のその旦那さんからも、僕は気に入られていて、、、!
『俺があまり家に居ないから、何かあったら! 女房の力になって
くれないか、、、?』
『えぇ!? 僕で良ければ、、、!』
『秋生は、俺の弟みたいで可愛い奴だな~! 何時でも家に遊びに
来ていいが! 俺の奥さんに手は出すなよ!』
『そんなの! 分かってますよ!』
『娘、可愛いだろう~俺に似てるからな~!』
『まあ~そうですね! 可愛いですよ~!』
『そっか! 飲め飲め~』
『ダメよ~そんなに秋生さんにお酒飲ませたら~! ごめんなさいね!』
『いえいえ! 僕は、、、。』
▽
本当に、いい関係だったのだけど、、、?
僕が仕事で、転勤になってしまったから、、、。
引っ越す事になってしまって、、、!
【ピーポーン】
『はーい! あら秋生さん? どうしたの、、、?』
『大切な話があって、、、!』
『さあさあ~中に入って、、、! 貴方~! 秋生さんが来てるわよ!』
『よお! 秋生、どうした、、、!?』
『僕、転勤になって、、、! 来週引っ越す事になったんです! それで
ちゃんと話しておかないとって思ったんで、、、!』
『そっか! でっ! 何処に転勤するんだ!』
『大阪なんですよ!』
『あぁ~寂しくなるわねぇ~』
『そうだな!』
『今まで、たくさんお世話になったので、、、ありがとうございました。』
『いいのよ~私たちも凄く助かったのよ~この人が仕事で家に居ない
時は、この子と心細かったりしたけど...! 秋生さんが居てくれて本当に
助かってたのよ~!』
『いや~僕は、何も、、、。』
『今まで、ありがとう! 転勤先でもがんばれよ!』
『ははい!』
『じゃ~今日は飲もう~!』
『そうやって! ただ飲みたいだけでしょ~!』
『別にいいよな~』
『はい!』
▼
その時の事は、今でも忘れていない、、、!!!
隣に住んでいた206号室の沖田さんとのいい思い出だ、、、!
なかなか? あんなに仲良くしてくれる人はいないと感じる、、、!
僕もあれから! 何度か引っ越す事になったのだけど、、、?
近所付き合いをする人など、あの後一人もいなかったからだ、、、!
そう言えば、、、?
20年前のあの子は、、、?
もう20歳になっているのか、、、?
元気にしているのかな、、、?
僕も、この20年! 仕事に恋愛に頑張ってきたが、、、!
仕事は出世出来たのだが、恋愛は上手くいかず、、、。
【未だ独身だ!】
僕も41歳になって! もうそろそろ結婚したいと考えている!
いい相手がいればの話なのだけど、、、。
*
僕は、友達の紹介である女性と会う事になっていた、、、!
まさか、、、!?
これが! 【運命の出逢いになるとは、、、?】
少しお洒落なBARで、その女性を待っていた、、、!
僕は、どんな女性が来るのか? 聞かされていなかった、、、!
『なあ? 誰が来るのか? 教えてくれないか!』
『若い女の子だよ! お前、最近若い女の子といつ話した、、、?】
『・・・・・・えーと?』
『そんなに前なのか、、、!』
『うちの職場に、若い女の子がいないんだよ~! 仕方がないだろう!』
『ちゃんと! 話せるのか、、、?』
『・・・さあ、分かんないよ!』
そうこう話していると、、、?
その女の子が現れた、、、!
凄く爽やかで、可愛らしい女の子だった、、、!
『やあ~ここ! ここ!』
『初めまして! 沖田 まなみです!』
『えぇ!? 沖田 まなみって、、、? ひょっとして、○○のマンションに
住んでた事ない、、、?』
『えぇ!? 何故、知ってるんですか、、、?』
『僕もそのマンションに住んでいた事があって! 隣の206号室が沖田さん
だったから! その若い夫婦の間にね! 可愛らしい産まれたばかりの女の子
の赤ちゃんがいて! その子の下の名前が、確か? “まなみちゃん”だったと
思うんだよね!』
『ははい! その子、私だと思います!』
『まさか、、、!? こんな風な形で会えるとは思ってもみなかったよ!』
『私もです! ただ、あんまり憶えていなくて、、、!』
『まあ~それは仕方がないよ!』
『ただ秋生さんの事は、両親から聞いていたので、、、!』
『そう! ご両親は元気なの?』
『・・・それが、二人とも去年交通事故で亡くなってしまって、、、!』
『えぇ!? そんな、残念だな! もう1度二人に会いたかったかったのに...!』
『じゃ、会いに来てください!』
『えぇ!?』
『私、まだあのマンションに住んでいるんで、、、!』
『あぁ、そうなの? じゃ~行かせてもらおうかな!』
『はい!』
▽
僕とまなみは、こうして仲良くなり、、、。
年の差カップルになった、、、。
人の縁とは、、、?
不思議なモノだ、、、!
あんなに仲良くしてくれた人たちの娘と結婚するなんて、、、!
しかも、、、!?
僕とまなみは、あのマンションに一緒に住んでいる。
206号室。
もう直ぐ、僕たちの赤ちゃんが産まれて来るよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。