2層 23話目
今回は短めです。そして、あとがきで大事なお話があります。
□■□■
前にも感じた事があったけれど、
この体になって、
感情の制御がかなりし辛くなった気がする。
こんな簡単に、
涙を流してしまう程に……。
「だから、なんで泣くんだ」
「なんでもないよ……」
うーん。
これなんとかしたいんだけれど、
どうしたら良いんだろうね?
分からないや……。
「取り合えず、早く泣き止め」
「うん……」
頷いては見たものの、
結局私が泣き止むまでに、
二十分もの時間が掛かってしまった。
この間、二段はずっと待っていてくれた。
良い男だよこいつは……。
あれだね、多分、元の世界でも女にモテるタイプじゃないかな。
本人は気づいてないけど、
隠れファンがそれなりにいるタイプ。
「で、何があったんだ?」
と、二段が問うて来たので、
かくかくしかじかと、
偽りなく全ての経緯を話す。
二段は、途中で私の話を遮る事もなく、
目を瞑って、静かに全てを聞き終えると、
「……倉橋のヤツ、そんなに強かったのか。そうは見えなかったが……。そこに気づけないとは、俺もまだまだだな」
え?
そこ……?
いや、まぁ、確かに驚きポイントではあるとは思うけど、
でもそこじゃなくて。
私に対して、頑張ったな的な言葉があっても良いのでは?
「だが、治療費か……」
「え? えっと、うん、何かいっぱいお金が必要で……」
「大変だな」
「うん……」
「まぁ、こういう話を聞いたのも、何かの縁だろう。手伝ってやろう」
「えっ」
良いの……?
「何を驚く? 別に構わんぞ。と言っても、俺がと言うよりかは、まぁ、あいつがそんな事を言い出しそうだからな。断ったら嫌な顔をされそうだ」
「あいつ……?」
「ほれ、あそこにいる」
二段が指さした先に、
モジャ男がいた。
モジャ男は、
なぜか私を見つけた瞬間に、
すっごい良い感じの笑顔になった。
そういえば、二段とモジャ男は、二人一緒に行動してたんだったね。
確か、前に私の近くを通りかかった時、そうだった。
あれ以降も仲良くやっていたらしい。
「俺とあいつも、クラスメイト達から、離れたんだ。まぁ、思う所があってな」
うん、知ってる。
でも、私がそれを知っている、って事を二人は知らない。
だから無知なフリしとかないとね……。
「へぇ、そうなんだ」
少し、演技っぽくなっちゃったかな?
でも、二段は気づいてなさそうだし、
モジャ男も朗らかな笑顔のまま近づいて来てるし、
多分バレないと思うから、大丈夫だ。
以前から、活動報告等で、本作を書き直すか続けるかについて考えている、とお伝えして来ておりましたが、結論としましては、書き直して新連載、と言う形を取る事にしました。話の本筋は変えないつもりですが、主人公の一人称が俺から僕へと変わっていたり、タイトルも長くなったりと、色々と新たになりました。再び、一から楽しんで頂ければ幸いです。※、元々の俺女については、時期は未定ですが、そのうちに削除致します。つきましては、新装版が下記になりますので、よろしければ、ご移動お願い出来ればと思います。
タイトル:異世界にクラス全員で転移した時に、僕だけ女になったからといって、そもそもが男子校だから女が珍しいのは分かるんだけれど、だからといって、ニチャついた視線を向けられると凄く嫌な気分になるからやめてね?
Nコード:N1094GD
↓にリンクも貼ってあります。