2層 16話目
なんとか更新!
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取り合えず、エマちゃんがお風呂屋さんを知っていると言うので、そこに向かう事にした。
どういう所なんだろうね?
贅沢を言って良いなら、良い感じのシャンプーとか揃ってれば文句無しだけど、今は早めに体を洗えればそれで良いから、多くは求めないけどさ。
……ところで、一緒にお風呂入るって事は、エマちゃんの裸を見る事になるワケだけど。
自分の体には抵抗が薄くなってきたけど、さすがに他の女性の体を見るのは少し気後れしないでも無い。
今は私も女だし、気にしなくても良いんだろうけど。
「こっちこっち」
「はいはい……」
歩きながら、私はひとまず、自らのステータスを見てみる事にした。
思い返して見れば、あのヤバそうなのを倒したワケだし、レベルが上がっているかも知れない。
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氏名:小桜 勇気
性別:女 レベル:0.9
次のレベルまで:310/1870
動体視力3.95
基礎筋力1.88
身体操作1.55
持続体力2.67
魔力操作9.52
魔力許容9.28
成長水準3.65
固有スキル 召喚士6.33
特殊スキル 精霊行使0.50
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何だろう、凄く違和感がある。
確かに経験値が少し入っている。
でも、それが少なすぎる。
エキドナちゃんと盾子ちゃんの二人には、
今現在も迷宮に入って貰ってる。
それで得た経験値だけじゃないのかな、って思える数値だ。
あれを倒した分が無い気がする。
経験値そのものが無い魔物だとか、そういう系だったのかな?
もしくは、そもそも魔物では無いか、あるいは――
「――実は、倒せてなかった?」
嫌な可能性が浮上してきた。
でも、確実に殺ったと言えるレベルで、
押し潰してはいるハズだけれど……。
遠くから確認した時には、見る影もない感じだったし。
……取り合えず、二層を進む時には注意した方が良いかも知れない。
「何考え事しているの?」
「あっ、ごめん。ちょっとね……」
「まあ良いけど。それより、もう着くよ」
うむむと頭を捻っていると、思ってたよりも早く到着した。
目の前にあったのは、こじんまりとした入浴施設。
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さて、ところで。
料金を払ってすぐの事である。
私はなんとなく、お風呂に入る時間をズラさない? と提案して見た。
やっぱり少し抵抗が無いわけでもなくてね。
しかし、
「うん? なんで嫌がるの? お姉さんの裸なんて私もう見まくってるし、恥ずかしがる事なんて無いと思うけど?」
それはその通り。
だからその、別に私が恥ずかしいとかそういう事じゃなくてね。
問題は君の裸の方なワケ。
とは言え、この反応を見る限り、私の提案は無駄な足掻きでしかない様子。
これ以上は変に抵抗しても無駄そう。
変な不信感を与えるだけ、と言う結果になるのが目に見えている。
エマちゃんとの仲を壊すつもりは、私には当然だけど無い。
つまり、諦める他に無い。
「……それもそうだね」
「そうそう」
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私のブラジャーを両手で持つと、
エマちゃんは何故か嬉しそうに広げた。
「これ選ぶの手伝った時も言ったけど、やっぱり大きいねー」
……あの、やめてくれません?
脱衣所に他に人が居ないからって、
そういう事をするのは感心しない。
「小さめのメロン入りそう。まあ、お持ちのものもそんな感じだしねぇ……」
その視線の先がどこに向かっているのか、
追うまでも無く分かる。
うーん、あんまり気分の良いモノでは無い。
「何でそういう反応になるのかなぁ……。全く無いよりは良い事なのに。私を見てみなよ」
そう言って、エマちゃんは自らの胸をトントンと叩く。
見事に真っ平らだった。
その寸胴ボディは、服の上から見た時と同様、子どもにしか見えない。
まあでも、その見事なスタイルに、少し救われた私が居た。
明らかなお子さま型だから、女性の裸を見てるって感じでは無いのだ。
当初にあった罪悪感のような感覚が一気に消え失せる。
こういうのって、一部の人には喜ばしい体型なのかも知れないけど、私は別にその一部では無い。
それから、お互いに体を洗ってから湯船に浸かる。
さて、色々とお話をしようか。
――と、私がそう思った瞬間だった。
「――きゃぁっ」
「可愛い声だねぇお姉さん。……しっかし、何度揉んでも飽きないでクセになるね。これ良いなぁ私も欲しいなぁ……」
ま、またいきなり揉んでくるとは……。
まあでも、今日だけは我慢だから、我慢……
「指が沈んでは弾かれるっ、柔らかさと弾力の見事な共存! ……おっといけない、上だけじゃなくて下の方も可愛がってあげないとねぇ。ぐへへへ」
……出来ないぐらいに酷くなりそうだったので、
取り合えず、拳を頭の上に落としておいた。
「い、痛い……。冗談だよぉ」
うん? 冗談? 冗談に聞こえなかったけど?
あのさ、何事にも限度ってものがあるよね。
私はそう思うよ。
それと、痛いって言ってるけど、思いっきり揉まれた私も痛かったから。