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2層 2話目

 召喚獣が一体増やせる。

 何だか少しワクワクする。


「さて、何を召喚したものかな。小蛇以外だと子犬と子猫だったよね……」


 二層目が森林のようだから、

 それを考慮して、

 ここは子犬とか子猫の動物系が良いかな?

 それともエキドナちゃん二体目を召喚する?


「悩ましいなあ……」


 うんうんと唸りつつも、

 私は次の召喚獣を選ぶ為に、

 召喚の欄を開いた。

 すると、突然パッと文章が浮かびあがる。


【――ホムンクルスの想いを傾聴――をクリア。召喚獣の解放条件(・・・・)を達成。召喚対象にEX魔物である幼体ホムンクルスを追加します。】


 幼体ホムンクルスを追加……?

 解放条件?


「……え? どういう事?」


 いつの間にか召喚出来る魔物が増えていたらしい事に、

 私は軽く驚いた。


 一体いつ条件を達成したのやら。


 思いを傾聴とあるから、

 誰かの話を聞いたからって事だとは思うけど。


「……うーん。思い当たる節といえば、彼女かな」


 関係していそうな出来事といえば、

 人型スライムの彼女との邂逅かな。

 彼女の過去や思いを私は聞いた。

 傾聴と言う言葉から察するに、

 あれが解放条件だったのかな?


 でもそれだと、彼女はスライムでは無く、

 ホムンクルスだったって事に……?

 だってそうじゃなければ、

 増えるのはスライムであるべきじゃないかな。

 うーん……。

 もしくは、スライムの特徴を持ったホムンクルスって事なのかなあ?


 そう言えばどうやって魔物になったのか、

 どういう魔物になったのか、

 それを彼女から直接聞かなかったから、

 結局の所どういう存在だったのかは、

 ついぞ知らないままだったね……。


 とは言え、今更聞く事も出来ないので、

 気にしてもしょうがない事ではある。


 取りあえず今は、

 召喚出来る魔物が増えた事を喜ぼうかね。


「さてそれじゃあ、どれにしようかなあ。新しい魔物が折角出てきたし、そっち選んだ方が良いかな?」


 分からない事は横におきながら一人ごちり、

 私は言葉通りどれを召喚するかで悩む。


 堅実に行くのであれば、

 子犬か子猫を召喚するべきだけど、

 正直新しい魔物への興味が湧いて来てるってゆう……。


 それから、腕を組んで悩む事数十分。


 私は何を新しく召喚するかを決めた。

 どうにも新しい魔物が気になるので、

 ホムンクルスを召喚する事にしたよ。


 だって気になるんだもん……。


「……さて、と」


 好奇心に負けつつホムンクルスを選ぶと、

 お次はエキドナちゃんの時と同じく、

 性別を選択して下さいと出た。


 エキドナちゃんの時とは違い、

 オスかメスでは無く、男か女かという表記である。


 ホムンクルスというからには人型だろうから、

 それでオスメスではなく男女なんだろうけど、

 無駄に細かいと思うわ……。


 まあともかく、私は迷わず女を選択。

 理由はエキドナちゃんの時と同じで、

 私が女だからです。


 さて、性別選択を終えたら、

 次は名前を決めなきゃならない。

 どういう名前にしようかな。


 エキドナちゃんの時は、

 ゆくゆくはそれぐらい強くなって欲しいって、

 そういう意味でエキドナってつけたんだよね。


 この子の場合はどうしようかな……。


「……そうだね。楯子とかどうかな?」


 少し悩んで、その名前が思い浮かんだ。


 最近何だか襲われかけた事もあったし、

 そのうち深刻な貞操の危機に陥るんじゃないかって思わないでも無いから、

 それを守る楯のような存在になって欲しいと言う思いを込めて、

 楯子。


 ……正直なところ、安直過ぎるとは自分でも思うけど、

 だって他に何も思い浮かばなかったんだもの。

 楯にまつわるような単語とか、あるにはあるんだろうけど、

 ごめんそこまで博識じゃないから分からない……。


「よし、楯子で決まり」


 自分の浅学さから目を背けながら、

 うんうんと頷いて、

 私はホムンクルスの名前を楯子にする事にした。

 

 まもなくして、淡い光と共に、

 小さな妖精くらいの大きさの女の子が現れる。

 華奢な体を白い布で覆っているこの子は、

 随分と愛らしい顔つきもしていて、

 紅玉色の髪が、どことなく優しさと温もりを感じさせてくれる。


 うーん……。

 可愛らしい外見と雰囲気なのは良いんだけど、

 ちゃんと名前の通りに、

 楯になってくれるような強い存在になるかな……?


 まあ今さら取り消しも出来ないから、

 なるようにしかならないし、

 そんな事よりも今は取りあえず挨拶でもしとこうか。


「それじゃあ、これからよろしくね。楯子ちゃん」

「うんー。よろしくねー」


 お、おおっ。

 喋った……。


 挨拶をするとあろう事か返事が返って来て、

 さすがに私も驚いた。


 ホムンクルスだから喋れるって事なのかも知れない。


「しゃ、喋れるんだ」

「うん、しゃべれるよ。だいじょぶだよー」


 小さいせいか些か舌ったらずな喋り方だ。


「あのねー、まだしゃべるの、じょうずじゃないけど、たてこねー、しんかしたら、もっとちゃんとしゃべれるの。だいじょぶだよー」


 本当に大丈夫なのかなあ……。

 この調子だと役に立つのか少し心配になってくる。

 うーん。

 ちょっとステータス見てみようか。


 ――――――――――

 名前:楯子 

 性別:女 レベル:0.1

 次のレベルまで:0/70


 動体視力0.80

 基礎筋力0.95

 身体操作1.58

 持続体力0.44

 魔力操作1.89

 魔力許容1.54

 成長水準2.01


 スキル 魔術行使0.65 神兵0.50


 経験値配分 均等

 ――――――――――


 あれ……何か結構ステータス高くない?

段々ネーミングセンスから男らしさが抜けていく……。

いや、初期の頃から?

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