旅立ち
途中でした。すみません。
[五年後]
どうも皆さん。俺もとうとう成人を迎えした。
明日は宴だぁ!
と、オッサンが言いながら出っていって帰って来ないんだけど。
っと、その時。
「おい、クラマ。居るか?」
「居るよ。てか、何処行ってたんだよ。」
「ちょっとこの辺で一番デカイ街に遠出してたんだよ。
つっても歩いて行ったら1日かかるがな。」
「それはそうとオッサン、何背負ってんだ?」
見ればオッサンは麻の袋を背負っていた。
「あ?これか?これはテメェの服だよ。」
「え?俺の?」
「あぁ、テメェの成人式用の服だ。」
「あぁ、成る程。」
「よし、じゃあ今から街に行くぞ。」
「え?何
「宴だって言っただろ。」
「宴って街でやんの?」
「当たり前だろ。誰がこんな人里離れた山奥に成人を祝いに来んだよ。」
「成人式、二人でやるのかと思てったわ。」
「な訳あるか。ほらさっさと行くぞ。」
***
「オッサン。良くこんな道往復したな。」
「あ?この程度で根を上げてんのか?」
「はぁ?誰が上げるかよ。」
何かさっきから魔物とのエンカウント率が凄いんだけど。
[報:山頂に大鬼の反応が複数在ります。おそらく下級の魔物が襲われているのかと。]
マジで?
[間違い有りません。]
さいですか。
「オッサン。」
「あ?何だよ。」
「山頂に大鬼が居るってさ。複数体。」
「何だって?嘘じゃねぇだろうな。」
「あぁ。叡智からの情報だ。」
「なら、間違いねぇな。で、どうする?」
「おい、どうする?ってどういう意味だ?まさか喧嘩売りにとか言わねぇよね?」
「これも経験だ。大鬼との戦闘なんて滅多に出来るもんじゃねぇぞ。」
「いや、そうだけど。」
「おいおい、まさかビビってんのか?」
「あ?誰がビビるかよ。」
「なら良いな。よし、進路変更だ。」
***
大鬼が可哀想に思えて来た。
俺達がたまたま通りかかって殲滅したからな。
「妙だな。」
「あ?何か可笑しかったか?」
「あぁ、コイツら弱すぎる。」
「オッサンが強い過ぎるんだろ。」
「何か違和感があんだよな。」
「気のせいだろ。叡智、今の戦闘で何レベ上がった?」
[Lv6上がりました。次のスキル獲得までLv49です。]
「じゃあ今何レベ?」
[Lv461です。]
「さいですか。」
「おい、クラマ急ぐぞ。」
「急ぐって何で?」
「緊急の用事が出来た。」
「は?何だよ、用事って。」
「話は後だ」
***
何か知らんが大急ぎで街までやって来た。
「クラマ、俺は今から用事がある。お前は街の見学でもしてろ。」
「は?何で?」
「緊急の用事だ、つってんだろ。大人しく言うことを聞け。」
「俺も付いて行ったら駄目なのか?」
「駄目だ。」
「何故?」
「駄目なものは駄目だ。」
「なんだそれ。」
「良いから言うことを聞け。」
「はいはい。分かりましたよ。」
***
「さて、そもそも何て街なの個々?」
[解:帝都グローリーです。]
「あ、帝国なんだ。」
[帝国領内です。]
「さて、見学してろと言われてもこの街には何が有るのだろうか?
…そうだ、鑑定。この街に冒険者ギルドは有るか?」
[解:有ります。]
「OK。案内してくれ。」
[その前に一つ、申し上げたい事が。]
「え?何?」
[私は鑑定ではなく叡智です。]
「あ、すみません。」
***
やって参りました。念願の冒険者ギルドです。
いやぁ~。話に聞くのと実際に目にするとじゃやっぱり違うなぁ。
「おい、ガキ。邪魔だ。さっさと退け。」
「お、悪い悪い。ちょっと興奮しちまって。」
「何だ、お前?冒険者志望か?」
「ま、そんなとこだ。」
「なら、さっさと入れ冒険者志望は大歓迎だ。」
「は?ちょ!待!引っ張るな!」
何この人、怖い。
「お、おい。普通に入っていいのか?」
「あ?逆に何で駄目なんだ?」
「いや、その、何て言うか、心の準備が…」
「おい、姉ちゃん。コイツが冒険者登録がしたいってよ。」
「いや、おい。人の話を聞け。後、かってに話を進めんな。」
「そうかっかするなって。別に登録した所でデメリット何て無いんだからよ。
むしろ身分証が手に入って得だろ。」
「確かにそうだけど…
あぁ、もう良いよ。するよ登録。」
「はい、冒険者登録ですね。それではこちらの用紙に名前、職業、レベルとスキルを書いて下さい。」
「え?スキルも?絶対?」
「いえ、スキルに関しては任意です。
ただスキルを開示することによってパーティー等が組みやすいと言うメリットはあります。」
「え?何で組みやすいの?」
「スキルを開示することでそのスキル保持者が居ないパーティーから誘いが有ったりします。」
「あ~。成る程。けど、俺はいいかな。…記入っと。」
「はい。確認しますね。
名前:クラマ、職業:狩猟者、レベル…?君、嘘は良くないよ。」
「え?嘘?何か可笑しなことでも書いてましたか?」
「どう考えても可笑しいでしょ。レベル461って。
君ぐらいの年の子の平均レベルは高くて30ぐらいなのよ。」
「おいおい。流石にそれは盛り過ぎだと思うぞ。」
「いやいや、嘘じゃないから。それ真実。」
「ハァ~。君、そこまで言うなら鑑定石使うよ。良いの?謝るんら今のうちよ?」
そう言って受付に人が水晶玉の様な物を取り出した。
「はい。構いませんよ。」
「言ったわね。じゃあ確かめさせて貰おうじゃない。使い方は分かるわよね?」
「はい。問題有りません。(どうやって使うの、これ?)」
[解:手を翳し祈ることで職業名とレベルが表示されます。]
「(え?スキルは?表示されないの?)」
[解:されません]
「(あ、さいですか。)はい。出ました。」
「えーと、何々?…う、嘘。ほ、本当に…?」
「本当ですよ。」
「おいおい。受付さん、どうしたんだ?何レベって書いてあるんだ?」
「…レベル461。」
「マジかよ。そりゃスゲェな。」
「(そ、そんなに驚くんだ。)」
俺がそんな事を思考していたその時。
「おい、クラマ。何でおまえが此処に居るんだ?」
「オッサンこそ何してるん?」
「俺は用事を済ませに来たんだよ。」
「なぁ、おい。あれ、ラグナだよな。」
「ラグナって、かつて最強の冒険者と言われたあのラグナ?」
「ここじゃあ、周りが五月蝿くてまともに会話が出来ないな。場所を変えるぞ。付いてこい。
***
「と言うわけで俺は明日から家を開ける。後の事は任せるから、そのつもりで。」
次の日の朝、ラグナは出て行った。これがラグナとの最後の別れだと言うことはまだ誰もしらない
クラマの旅立ちだと思った?
残念ラグナでした。しかも、死地への旅立ちだからね。
修正:私が鑑定と叡智を間違えたのではない。
主人公が間違えたのだ。
断じて私が間違えたのでない。