アルトをどうするか
涙が枯れるまで泣いた後、僕はディーに感謝の言葉を伝える。
「ディーさんありがとうございます」
『何、我はお前の属性を見て伝えたにすぎん、礼など必要ない』
「でも、自分が神属性を持っているとわかったのはディーさんのおかげです。なのでお礼などは出来ませんが、せめて感謝の言葉だけでもさせて下さい。本当にありがとうございます」
『ふっ、なら受け取るとしよう』
「素直に礼くらいすぐ受け取れよな相棒」
ジンはディーの近くへと行き、そう言う
『ジンよ、素直に礼を受け取るかは別に我のかってではないか。それよりもジン』
「ん?どうした」
『この子に魔法を覚えさせるとしたら、お前でも我でも、無理だ』
「あー、そっかアルトは神属性だもんな。それじゃ、使い魔契約をさせて使い魔になった奴に神属性の魔法を教えてもらうとするか。所で相棒、アルトは神属性のどの属性だ?」
たしか神属性にも7つ属性があるとジンさんが言ってたっけ、うーん、どの属性でもいいけど、できれば神炎がいいな。やっぱり捨てられたとはいえ、ホムラの家に生まれた者として、炎属性の神属性版の神炎を持っていると嬉しいかな。
『全部だ』
……はぁ?……えっ、えーーーー全ての神属性を持っているの僕。でも神属性と言うなら全ての属性を持っていて普通じゃないの?
「アルトすごーい」
「……すごいなアルト、だがディーこれってヤバくないか?」
『あぁ』
「?、なんでなのジン」
「ジンさん、どうしてヤバいのですか?」
えっ、僕ってヤバいの?
「アルトよ、普通はな複数属性を持っているとしても、3個までしか確認されていない。」
だから?普通の属性なら全部持っているならおかしいと思うけど、神属性だよ?属性に神ってつくんだよ?
「神属性だからじゃないの?」
「何と言えば説明したらよいのやら……」
『ふむ、我が話をしよう、神属性を使う神獣などは1個しか持ってないのだ』
「どう言うこと?」
『ただでさえ、1個しか持てるはずのない神属性を全て持っているというのはありえないことなんじゃ』
「僕ってヤバくない」
「あぁ、分かってくれて何よりだ、アルトに俺の力では神属性の魔法を教えることは、できないので使い魔契約をするため、召喚魔法を使って神属性の各属性を持つ奴7体と契約してもらう」
「わかったけど、なんで7体?」
「炎属性の人か氷属性を教えられると思うか?」
「そうか、うん、わかったよジンさん」
「よし、じゃあさっそく…」
「ジンよ使い魔の件は明日にしてアルトの扱いを先に決めてもよいか?」
「そうですね、わかりました。じゃあ、アルト明日に使い魔契約をしてもらぞ。」
「わかったよ、ジンさん」
その後、王の間で王と王子、フィア、ジンの四人で話あった結果、僕はフィアの専属騎士ではなく、フィアの婚約者となった。えっ、なんで専属騎士ではなく婚約者になっていると聞くと、神属性を持つ者が騎士にするのはさすがにまずいだろうし、かといってこの国と関係を持って欲しい。悩んでいるとフィアが婚約者にして私と結婚したら良いんじゃないと言うと満場一致で婚約者に決まったらしい。何故四人で話会ったかは他の貴族に話を聞かれると僕を利用しようとする奴が出るのを防ぐため、今話合ったというわけだ。
「ふふふっ、アルトこれからよろしくね?」
「よかったな、婚約者が出来て」
「アルトよ、これからはホムラではなくアヴェルディアと名乗るがよい」
「父上、まだ結婚をしている訳ではないので、アヴェルディアと名乗るのは不味いかと……」
「ふむ、それではどうするとしようか……」
「なら、結婚できる年齢になるまで、私の弟にすればいいじゃない。私アルトが弟になってくれると嬉しいし」
「それならよいか。いいな、リンク」
どうやらリンクとは王子の名前らしい
「はい、それなら宜しいかと、ですが母上と他の貴族、特にホムラ家に何と説明するか……」
「妻にはアルトについて全てを話そうと、思う。貴族達については……どうすればよいだろうか?ジン」
「そうですね、王都とは別の場所で学校に行ける年齢になるまで暮らせばよいかと」
「えぇーアルトと離れるの嫌だー」
「ダメですか…」
「もうよい、小等部の頃から学校に入ってもホムラ家からアルトについてバレるから、成長した中等部に入れる歳になるまで王都を離れてもらうしかあるまい」
「えーお父様」
「こら、フィアあまり父上を困らせるではない。私もそれでよいかと思います。」
「よし、ではジンよ小等部の勉強はお前が一緒にアルトと王都を出て教えてやってくれ、そして、アルトが中等部に入れる時になったり王都に戻ってきてくれ。その時は、アルトをフィアの弟として、学校に行かせる」
「王のご命令のままに」
「ジンも居なくなるの嫌だー」
「王女様、成長した姿をアルトが見たら王女様にアルトは釘付けになりますよ」
「そ、それなら……ガマンして待つ」
「すまんな、フィアよし、これで良いかアルト」
僕は話についていけない内に話が終わった。僕はただ返事を返すしか無かった。
「はい」