ジンが公爵?
王都の門に近くと
「そこの馬車よ、ちょっと立ち止まって頂きたい」
と兵が二人やってくると、ジンは馬車から降りた。ジンを見た瞬間に兵は敬礼を急いでやる
「ジ、ジン公爵様、し、失礼しました」
「あー、そんなにかしかこまらなくてもいいのだが」」
「で、ですが」
「はぁー、まぁ、で何?ここで馬車の検問をする理由は?」
「あっ、リーフィア王女様を探すようにとのことと、リーフィア王女様が見つかるまでの間に馬車が来たら、門より少し離れた所でこの国に来た理由を聞くようにとご命令がありました」
「そうか、ご苦労だったな」
「いいえ、では門を開けて来ますね」
兵は急いで門を開けに行った。そして門を抜けると広い街の中に大きな城が見えたがアルトは街よりもさっきのジンのことについて気になった。
「ジンさん、一つ聞いてもいいですか?」
「ん、なんだ?」
「ジンさんが公爵って本当ですか?」
「あぁ、本当のことだが、俺には公爵…貴族は似合わねーよ」
「私の騎士にする為に貴族にならないといけなかったからジンは貴族になったの」
「では、ジンさんはフィアの護衛になるため貴族、それも公爵になったのですか?」
「なんか……俺の知らないうちに王女様が……」
「別にいいじゃないですか、それに私も公爵までいくとは思いませんでした」
「まぁ、俺は貴族とかめんどくさいから嫌なんだけどな。それよりアルトは俺が公爵家と知って態度とか変えないんだな」
「変えて欲しいなら変えますよ」
「いや、変えたら怒るぞ」
「ねぇ、アルト」
「なんだいフィア?」
「このまま、王城に行くけど大丈夫?」
「それならジンさんが何とかするだろうさ」
「俺にまかせとけ」
「そ、それならいいわ」
「それにしても、たくさんの人で賑わっているね」
「ふふっ、そうでしょ」
「まぁ、王様が日頃民の為に頑張っているからな」
「へぇー、そうなんだー」
「なんだよ、喧嘩売ってんのか?」
「いや、なんか、ジンが公爵と思うとこんな街は出来ないと思ったから」
「まだその話続けるのかよ。それに、俺は自分の領地なんか持ってないぞ?」
「えっ?公爵家は自分の領地を持っているはずでしょ」
「いや、俺の場合は特別公爵だから」
「特別公爵?」
「そ、特別公爵。特別公爵は一代限りのその人だけの爵位で、王から認められた冒険者が貰える爵位なの」
「ジンさんは冒険者なのに何で護衛の騎士なんかに」
「約束したんだよ」
そう言うとジンは少し暗い表情をしたがアルトは気が付かなかった。
「誰にですか?」
「話はここまででいいか?話の続きはまた今度な?」
「えー、気になります」
「アルト、王城にもうすぐつくから話は今度にしてくれない?」
「フィアが言うならわかったよ」
「すまんな。…ところで王女様、王様になんて言います?」
「んー、アルトのことについていいましょ」
「えっ、なんで僕?」
「いやー、お忍びだから怒られないように話すため」
「お忍びって、ホムラ家領土の事じゃなくて王城のことですか」
「そうなんだよ」
「そうよ」
「……城の中は絶対大変なことになってますよ」
「そうだよな」
「はぁー、絶対何かありそう」
「まぁ、深く考えても意味ななんて無いさ。じゃ、アルト行くぞ」
王城につくと馬車から降り城の中へ入って行った。