第1話 [入部]
決まった〜〜〜〜〜
白神卓、三度目の優勝〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3度目だ。この関東ジュニア卓球大会(小学生の部)で優勝したのは。
俺の名前は白神卓、小6…って言ってもあと1週間で中1になるんだけどね。
そして今、俺はこの大会で史上初の三連覇を果たした。
そのおかげで、いろいろな中学から毎日のように、入学の誘いの電話が来る。
でも、俺はすぐ近くの蘭舞中学(通称、蘭中)に入ると決めていた。
当然卓球部はある。そしてその卓球部は、去年から急に強くなって、つい最近の大会では関東でベスト4に入った程の実力だ。
だから1年だろうがレギュラーになって、いつか全国大会で優勝することが夢だった。
ハァ、ハァ…負けた。
…甘かった。
中学生をなめていた。
今、俺は1年ながらも、2年、3年の先輩と練習している。
やっぱり先輩は強い、でもまだ俺には勝てなかった。
レギュラー以外の2、3年の先輩には全員勝った。
そして、ついにレギュラーの一人と試合する機会が出来た。
レギュラーの練習しているところはよく見たことがあるけれど、試合を観るのは初めてだ。
しかも、俺と試合をするなんて。
少し緊張している…けど、少し自信もあった。
相手の名前は赤阪修、戦型は完璧な守り。ブロックの天才と呼ばれている。
けど、勝てる気がした。
なぜなら、他のブロックが得意な先輩もなんなく俺のドライブ(上回転)で倒せてきたからだ。
「第1セット、ラブオール」