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夜の願い

作者: 藤野綾
掲載日:2016/01/31

狭い部屋に一人立っていると

畳が足に吸い付いてくる

畳は床に吸い付いている

床は土台に

土台は地面に

地面は地球に

地球は空気に吸い付いている


たまらず私は裸になる

私もひとつのものとして吸い付きたいのだ

畳とかじゃなく

土台とかじゃなく

直に地球に


頭でっかちの人間としてじゃなく

働いて畳を借りる人間としてじゃなく

ただのものとして

裸で

地球に吸い付いてみたいのだ

夜中ずっと

寒い暑いも関係なしに

誰かがみてるも関係なしに


あああもう人間じゃないんだ

そんなことも、思わないくらい夢中に

吸い付いていたいのだ

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