1日目
「うわああぁぁぁっっ」
目が覚めたのは、あの日と同じような太陽のよく見える日。
「そっか、夢…だったんだ…」
彼女が亡くなってから42日目の朝、彼女の記憶が鮮明に蘇った。
「“みき”」
誰に聞くでもなく、みつやはそう呟いた。
「はい!なんですか?」
みつやが呟くと、どこからともなく聞き覚えのある声が聞こえた。
「…?」
はっとして辺りを見回すとそこには“みき”がいた。
「…み…き…?」
みつやの独り言にもみえる問いかけにみきは元気よく答える。
「はい!」
「な…なんで…?」
物音もさせず現れたみきにみつやは少々ひるんで声が裏返ってしまう。
「なんで?…っなんでだろう?」
みきはみつやの質問に問題もないように答える。 「なんか…きみにひきつけられたんだ。きみのなまえは?」
「みっみつやって……えっっ!?」
みつやは咄嗟に名前を答える。だが、同時にみきの言葉に驚く。
「……!」
ハッとしてみきの全身を見回す。
「足が……ない…?」
「えっ、うん…そうなの死んじゃうと足が見えなくなるって本当だったんだね~」
みきは興味を抱いたらしく、足下を凝視している。
大変なことになっているはずなのに、全然そんな風には感じさせないそれがみきだった。