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勘違いの顛末  作者:
3/3

裏 一日目の憂鬱




ゆっくりと目を開いて、俺は硬直した。



ごくごく間近。 言ってしまえば腕の中。

抱え込むように囲った腕の中で、一人の人間が眠っている。



なんだか妙に肌寒くて、暖かなそばにあったものを引き寄せたのだ。

それが、まさか人とも思わず。




(ななな、なんだこれは………!!)




ようやく動き出した頭だが、実になるような考えはまるでできない。

見知らぬ部屋、素っ裸の自分、腕の中の…同じく服を着ていない女の子。

さあっと冷えていく体と頭。



―――とりあえず俺は、行動を起こすことから始めた。



そろそろと腕枕状態だった腕を抜き、ゆっくりとその頭を枕に乗せる。

その時点でようやく、俺は彼女の顔を見た。




(………あ、牧本さんだ)




名前が出てくるまでの間は、決して、名前がわからなかったわけではない。

眠っている姿と、いつもの大学での姿が重ならなかったのだ。



友達と笑っている、年相応の笑顔。

いつも斜め後ろ方面に座る自分から見える、授業中の真面目な顔。



今、息すらかかりそうな間近で見ている無防備な顔とは全く違う。




牧本沙耶さん。

同じ文学部の女の子。

たぶん、何回か話した程度の…




(…最低だ、俺……)




慌てて昨日のことをお思い返すも、考えがうまくまとまらない。





そうして俺は、逃げ出したのである。







さ、最低だー!



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