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ワールド・ワールド・ワールド

金魚牢

作者: 西くん
掲載日:2010/10/26

私は楽しみでしょうがなかった。

ここは、とあるビルの三階である。

この階に居るのは私だけではない、TV局やニュースキャスター、警察、その他にも大勢の人間がいる。

私は楽しみでしょうがない。

いや私だけではない、きっと日本全国の人間がこの日を待っていた事だろう。

私は、今朝からこのビルに居た。

朝早く起きたが、この日のことを思うと眠気がどこかへ吹っ飛んでいった。

朝食を取ることも忘れ、このビルにやってきた。

人が大勢いる中、私は人込みの中を人を押しのけて進んでいった。

「おい」「押すな」「ふざけんじゃねぇっ」

そんな罵声も耳に入らず、私はエレベーターの一番前にまで来た。

「君、下がりなさい」などと国家の犬共がキャンキャンと喚いたが、私が名刺を見せるとすぐに黙った。

謝る事も知らない愚図が。

しかし、そんな事はどうでも良い。

そろそろだ。

私が何年何十年と待った『もの』が、来るのだ。

しかしその時、

「あ、あなたは『あの方』ですか!?」

「今日に向けての一言を!」

・・・・・邪魔だ。

私が犬に見せた名刺を見たのだろう、マスコミのマイクが私の口元に差し出された。

・・・・・本当に、屑だな。

私の楽しみを奪いやがって。

私はポケットに手を入れ銃を取り出し、撃った。

発砲音が廊下に鳴り響く。

「私の気を害すな、ゴミ共。なんなら皆殺しでもいいんだが」

「・・・・・・」

一瞬の沈黙の後、マイクが私の顔から遠ざかっていった。

・・・・・これで落ち着く。

エレベーターが上がってくる音が聞こえてきた。

いよいよだ。

私は上を向いた。

エレベーターの階がどんどん上がってくる。

1・・・・・2・・・・・

チン、と鈴のような音が鳴った。

エレベーターの扉が開く。

・・・・・・ああ。

カメラのフラッシュが一斉に焚かれた。

そこには、金魚の入った金魚鉢が置いてあった。

「やった!やったぞ!!」

私は感動のあまり涙が出た。

後ろから聞こえる拍手は恐らく野次馬だろう。

金魚は涙を流す私を見て満足したのか、タイミングよろしく扉が閉まった。

何故この小説が『ホラー』に分類されてるのか、

それは、私がこの世界で最も怖いのが『意味不』だからであり、

『殺人を楽しむ人間』を見て、誰もが『何故人殺しが楽しいのだ?』『狂気だ』と思うように、

私はその『狂気』をこのような形に曲げてみたというわけである。


・・・・・とりあえず、ここまで読んでいただいてありがとうございました!

(ちなみに『金魚牢』とは札幌にある居酒屋の名前)

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