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モンスターを鎧にする仕事  作者: タック


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9/15

何も知らないで町を救ったイストさん

後書きで重要なお願いがあります。

ご協力をお願い致します。

 三日間徹夜をして、ぐっすりと寝たあとの気分は最高だった。

 イストはいつもの小屋で目が覚めた。


「んん~っ、よく寝たな」


 藁をかけただけの布団から、伸びをグーッとして身体をほぐす。

 そこで気が付いた。


「あれ、俺の〝アポロンの太陽鎧〟がないし、ウリエルもいないな」


 寝ぼけ眼を指の背で擦りながら、まだあまり回転しない頭脳をゆっくり働かせる。


「えーっと、もしかして、ウリエルがアレを着て町へ宣伝に向かってくれたのか? なるほど、なるほど。何かどこか抜けてる変な奴だと思ってたけど、意外とやるじゃないか」


 正直、ちょっと言うことを聞いてくれるだけの頭モンスターのような印象だったので見直してしまった。


「それじゃ、安心して二度寝でもするか」

「イストさん、イストさん!」


 ――と、そこへウリエルが戻ってきた。

 装備しているのは〝アポロンの太陽鎧〟なので、考えは的中だろう。


「お帰り、ウリエル。町での宣伝、ご苦労であったぞよ」

「何で知っているんですか、というか口調が偉そう」

「ということは、本当に町で宣伝してくれていたのか。……で、結果はどうだった? も、もしかしてダメだったりしたか……?」

「今、メチャクチャ町で話題になっていますよ! この最強性能の装備!」

「おぉ! マジか!!」


 イストは寝起きにもかかわらず、ガバッと立って思わずガッツポーズをしてしまった。


「もちろん、露出度のことは指摘されましたが」

「そ、それはまぁ使える素材量とか、できる技能が増えれば……たぶん……」

「たぶん? たぶんなんですか? それはそうと、イストさんが寝ている間に町にモンスターがやってきて、それを倒して宣伝したんですよ」

「マジか、スナック感覚でなぜかモンスターがやってくるな。いや、そういう世界だからなのか?」

「何かもう救世主扱いです。そこへやってきた、この国の大臣が大量発注をしてきて――」

「うおおおおお!! 大口契約きたー!! これでワカメとモンスター肉の食事から脱出だ!!」

「してきたのですが、お断りしました」

「……は?」


 イストは我が耳を疑った。

 宣伝してモンスター装備を売るという目的だったのに、なぜかその大口契約をウリエルが断ったと聞こえたからだ。


「すまん、寝ぼけて聞き間違えたのかもしれん。もう一度言ってくれ」

「大臣からの大量発注をお断りしました」

「ウッソだろー!?」


 あまりのショックで目の前がグニャ~っと歪んでしまう。

 前世でライターとして指示通りに記事を書いて提出したのに、何か上が気に入らなかったという理由で理不尽なボツを食らったときの気持ちだ。


「ど、どうしてだ!? 理由は!?」

「うーん、お金としては儲かりそうでしたが、なーんか胡散臭かったんですよね。あの大臣」

「胡散臭い? どんな風に?」

「私はそんなに頭がよくないのでキチンと説明はできません! 直感です! 偉い人なんてクソです! 女の勘!」

「アホかー!!」

「だから、自分で頭がよくないと言っているじゃありませんか。ふふ」

「な、何を言ってもダメなタイプだ……厄介すぎる……。はぁ~……、もういい。俺がその大臣に直接交渉してくるから、名前を教えてくれ」

「えーっと、カンパネと言ってましたね」

「カンパネ……カンパネ……」


 イストはその名前に聞き覚えがあった。


「あっ、異世界召喚のあとに俺を追放した大臣か!! カンパネ・ロラ!! イケメンだし気に食わん!!」

「そこなんですか。イストさんの方がまだイケメンっぽいオーラが出てますよ」

「オーラってなんだ! 前世でモテなかった俺は偉そうなイケメンとか大っ嫌いなんだ!」

「このウリエルちゃんにモテてるじゃありませんか~」

「疫病神に取り憑かれている気分だぞ!? 知らない内に姫と婚約させられて破棄だし、もう女関係はこりごりだ!!」


 イストは大きな溜め息を吐いたあと、一回クールダウンすることにした。


「は~……。とりあえず朝飯を食いつつ話そう……」

「あ、町で奮発して白パンと卵を買ってきましたよ」

「神! お前が一緒で良かった!! 愛してるぜ!!」

「でへへ、それほどでも~」


 火を起こし、フライパンに薄いモンスター肉敷いて、その上に卵を落とす。

 ベーコンエッグ的なものを簡単に調理した。


「いただきます」

「竜よ、賜物に祝福を」


 急に知らない言葉をウリエルが言い出したので気になってしまった。


「その言葉はなんだ?」

「あー、私が住んでいた場所の〝いただきます〟ですね。たまに出てしまいますが、癖みたいなもので深い意味はありません」

「ふーん、そうなのか。というか、俺の耳に〝いただきます〟と翻訳されないということは、何か特殊な感じなのか」

「そんなことより、冷めない内に食べちゃいましょうよ」

「おっ、そうだな」


 さっそく、塩をパラリと振りかけてからフォークで一口。


「うおおおお!! 卵だ!! 固まった白身はどこの世界でも美味い!! 久しぶりのトロッとした黄身もたまらねぇ!! モンスターの肉はちょっと微妙だが、卵があればそれなりに感じる!!」

「テンションたっか……。そんなに食に拘るんですか……」

「日本人は異世界でも食に拘る!! パン! 米も食いたいが、白パンもあり!! 柔らかくてスタンダードに美味い!! もうカビて岩のように硬い格安黒パンはゴメンだ!!」

「人が変わったかのように……もしかして、モンスターが化けたりしてませんか?」

「まともな食事にありつけるのならモンスターになったっていいぞ!!」

「うわ~……さすがに引きますよ~……」

「さて、話を戻すか」

「急にマジメテンションにならないでくださいよ」


 ウリエルが呆れたような表情で見てきている。

 とりあえず、食べながらまとめた考えを話すことにした。


「脳に栄養が行き渡った。さて、ウリエルが安易に売らなかったのは正解かもしれないな」

「ふぉえ?」


 ウリエルも食事をし始めたので、パンを囓りながらの間の抜けた返事になってしまっている。


「俺の主観も入るが、カンパネはろくでもない奴だ。なんせ勝手に召喚しておいて、無責任に追放したんだからな!」

「まぁ、はい。何か信頼できない相手でしたね。『商売は信頼が第一』とお婆ちゃんも言ってましたし」

「よく考えたら、これだけ強力な装備を悪用するかもしれない人間に渡すというのもヤバいしな。カンパネ大臣ならモンスターを倒したあとに、人間の弱者に対して使うかもしれん」

「ほえ~……イストさんがまともなことを……。ですが、同意です。偉い人間がしそうなことです」

「弱者には俺も含まれるからな! 現に追放されたし!」

「イストさんが弱者……ねぇ……」

「あ、なんだよ、その顔。実際に俺と比べてお前たち異世界人はゴリラみたいなパワーがあるだろ」

「そんなこと言うと握り潰しちゃいますよ」


 イストは冗談ではなく、目の前の少女はやろうと思えば頭蓋骨など簡単に握り潰してくる相手だと認識して、血の気が引いてしまう。


「って、何ドン引きしてるんですか。するはずないじゃないですか」

「ほ、本当だな?」

「一応、イストさんは恩人ですからね。『恩を仇で返すな』とお婆ちゃんに言われていますから」

「俺はそのお婆ちゃんさんに恩を感じるわ」

「それに結構好きですよ、イストさんのこと」

「えっ?」


 突然の言葉にトゥンクしてしまう。


「いや、いやいやいや、勘違いしないでください。そんな技能を持っているのが好きというだけです」

「なんだ、身体目当てか」

「言い方」

「まぁ、俺としてもお前が一緒にいると嬉しいぞ。実験体として最適だからな」

「やっぱり言い方が……」


 食事を食べ終わり、食器を片付けて話を戻すことにした。


「さて、今後の方針をまとめるか」

「どうぞ」

「まず、カンパネのような胡散臭い奴には売らない。悪用しそうだし、転売とかも面倒だしな」

「さんせー」

「しかし、金は欲しい。防具を作るための工房とかも整備したいし、ご飯も美味しいものが食べたい」

「となると?」

「人を選んで少数売ることになるな。まぁ、現状だと量産というのも難しいし、当分の方針はこれでいこうかと。幸い、宣伝はしてきてくれたから、この防具を欲しい奴の中から良さそうなクライアントを見つけるというのもできる」

「褒めてくださいね」

「はいはい、えらいえらい」

「んふふ、ウリエルちゃん満足」


 イストはウリエルの頭を撫でてやっただけなのだが、こうすると年相応の15歳に見える。


「……って、まだ満足していませんでした!! この露出狂鎧をどうにかしてくださいよ!!」

「〝アポロンの太陽鎧〟な!」

「よくわからない名前なんてどうでもいいです! 全力で魔力放出しなくても、普通に敵の攻撃でマントが破れてこのビキニアーマーだけになっちゃうんですよ!! 下なんて前掛けだけでパンツすらないじゃないですか!!」

「うーむ、たしかに戦いの状況を聞いた感じ、改良の余地があるな……」

「でしょでしょ!! ようやく、イストさんにも乙女心というものが――」

「やはり攻撃手段だな。斧で攻撃しても壊れてしまったし、武器をどうにかしなければならない」

「……そこじゃなくて」

「そういえば、今回のトンボ型モンスターで使えそうな素材があったな! 俺の仮説を試していこう!!」

「聞いてなぁ~い……」


 ウリエルは諦めの表情だ。

 普段はそれなりに常識人なのに、装備作りのことになると価値観がおかしくなるイストに呆れるのであった。

ランキング載れるタイミングが今しかないので、ブクマや★★★★★を頂けると凄く嬉しいです……!!


今、この画面を見ている読者さん、あ な た です!


ポチッとボタンを押す一手間が世界……と私のメンタルを救います!!!!

何だったら感想で「こんな装備ほしい」的なロ○クマンのボス募集的なものを送ってきてくれてもいいですよ!(採用するかはわかりませんが)




えっ、極小マイクロビキニ……? 男用のヒモフンドシ……? そんなのBANされるやろ!!!!!!

(もしかしてこのPVってBOT??? 今見てる人おりゅ~?)

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