デート回?
後書きで重要なお願いがあります。
ご協力をお願い致します。
「で、ででででデートだとぉ!?」
「なんで年上のイストさんの方が動揺してるんですか……」
それは少し前の出来事だった。
ウリエルが町へ一緒に行こうと誘ってきたのだ。
イストとしては人が多いところは苦手だし、なるべく防具作成の研究をしていたいから断りたかった。
しかし、信頼できる買い手と、協力してくれる魔術師を探すのは自分の目で見た方が良いとなったのだ、
というわけで、イストとウリエルは町を一緒に歩いている。
ここは町の中でも少し治安がよく、たまにカップルも見かけるような目抜き通りだ。
「ウリエルがデートだとか言うからだろ……そりゃ動揺する。この陰キャを舐めるな」
「なんか私まで恥ずかしくなってくるじゃないですか……。というか、一緒にいた方がイストさんを守りやすいというのもあります。イストさん、熊相手にも殺されちゃいそうなひ弱さじゃないですか」
「俺の世界ではそれが普通なの」
イストは段々と冷静になって落ち着いてきた。
ウリエルは外見が可愛くて綺麗でスタイルも良いというプラスだらけの相手なのだが、内面がアレということで一気に地の底を抜けるレベルでマイナスだ。
パワー的にも重機と一緒に歩いていると考えると、別にデートでも何でもないと思ってしまう。
それでも観衆たちはチラチラとこちらを見てきて『おっ、すげぇ可愛いじゃん』『胸大きくてメチャ好み』『ちっ、あんな子とカップルって男が羨ましすぎるだろ』という小声が聞こえてくる。
「お前が清楚系だったら外見的に周囲からモテモテだろうなぁ」
「何か言いましたか?」
ウリエルは、いつの間にか持っていた石を握って粉砕してきた。
イストは青ざめながら目を逸らす。
「いえ、何でもございません……」
物理的に相手が強すぎる。
「あ、せっかく町に来たんだから、何か美味しい物を食べたい。……金ねぇけど」
「もー、しょうがないですねぇ。私が奢ってあげますよ」
「神! ウリエル様の靴を舐めます!!」
「それは逆にプライドなさすぎて通行人から変な目で見られるので止めてください……。では、焼き菓子の美味しいお店があるのでそこへ行きましょうか」
「うおー!! 甘味なんて超高級嗜好品を食べていいのか!? この異世界でワカメばっかり食ってた負け組の俺が!!」
「イストさん、防具作ってるときはそれなりに格好良いんですけどねぇ……」
ウリエルはやれやれというポーズをしつつ、店に入っていった。
案内されて席に座った二人だったが、イストはソワソワとしていた。
「どうしたんですか、イストさん?」
「い、いや……客層がオシャレというか……女性が多いなと……」
「そりゃ立地の良い場所で甘味メインですから。この町で唯一の嗜好品の菓子店かもですね」
「ひぃぃ……」
「うわ……イストさんが精神的にも物理的にも小さくなっていく……。さすがの私でもカエル化しちゃいますよ……」
縮こまってしまったイストのところに、注文を聞きに来た店員がやってきた。
この世界ではこんなに丁寧に接客しに来るのは珍しい。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「えっ、あっ、その……」
注文を選ぶという概念がスッポリと抜け落ちていたため、イストは言い淀んでしまう。
さらに急かされていると感じてしまい、頭の中がグルグルと回転して真っ白になった。
「この本日オススメのカヌレとミルフィーユセットを二つと、紅茶を二つ……でいいですよね、イストさん?」
「あ、うん」
「で、お願いします」
「かしこまりました」
店員は軽くお辞儀をしてから去って行った。
イストはシュッと元の姿に戻りサムズアップした。
「ウリエル、お前のことを見直したぜ!」
「はぁ~、私は見限りたくなりましたよ~」
「ははは、今さらお前からどう思われても痛くも痒くもない!」
「開き直らないでくださいよ、もう」
ウリエルは待っている間に手持ち無沙汰だったらしく、白いナプキンを子竜の形に折りながら、別の話題を切りだしてきた。
「そういえば、イストさん。どうして魔術師が必要なんですか?」
「あー、そういう話題は町で話して大丈夫か? カンパネの手先にでも聞かれてたら――」
「ここは入り口が見える席で、私たちのあとに客は入ってきてないからたぶん平気ですよ」
「そんなところまで見てるのかよ」
「まぁ、完璧な防諜ではありませんけどね。それこそ魔術が欲しいくらいです。私も魔法の才能はあると言われたのですが、そちらの道には進まなかったので」
魔術ではなく、魔法という言葉が混じっていた気がするが、たぶん自動翻訳がミスったか言い間違えたのだろう。
たぶんどっちも同じようなものだろうし。
「籠手に翅剣が直接くっついているとジャマというのは話したな」
「はい。手持ちならまだしも、1.5メートルも籠手に固定していたら腕を振って歩けないどころか、横にしてたら通行人を斬っちゃいそうだし、常に万歳ポーズでマヌケに歩いてないといけないレベルですね」
ウリエルがやっているところを想像したら結構面白い。
「そこで、魔術でどうにかできないかなと思ってな! 俺が知っている魔術だと、マジックバッグとかいう空間を操作するようなモノもよくあった……! まぁ、漫画とかラノベだが」
「空間操作ですか~……。一般的に出回っているような魔術理論では見ないものですね。蜃気楼のようにして無いように錯覚させる幻術とかならできそうですが」
「むぅ、そう簡単にはいかないか……」
「基本的に、この国では即応性ある戦闘用の魔術が求められていますからね。そこから外れる操作特化のような魔術を習得・発展させようとする魔術師は、表に出てきてないでしょうし。この前の現場にいたクララと言う魔術師さんも、攻撃特化でしたから」
ウリエルの理路整然とした話し方に、イストはなるほどと思うしかなかった。
たしかに目的の魔術師を探すのは難しそうだ。
――と、そこへ店に入ってきた野暮ったいローブを目深に被った少女が、こちらへ一直線へ向かってきた。
そしてギラギラとした強い意志を込めた眼で一言。
「お姉ちゃんを助けた謎の冒険者……見つけた……!!」
面白い!
続きが気になる……。
作者がんばれー。
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<(_ _)>ぺこり




