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男も女も湘南ライドで恋を語る勿れ!  作者: 三ツ沢中町
第三章 湘南ライド 激走編
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第91話 トップ争い!

ゴール6キロ手前地点

「横風が凄いな! 自転車にしがみつけよ春風、身体を持ってかれるなよ!」

「分かってますよ桜山さん!」

 見通しの効く海岸道路を直走るなか、ERCは前行く南大を射程圏内に収めていた。

 沿道からは「負けるな早乙女! 差し込め桜山!」など力強い激励が飛び交っていた。

 この時点で、一番ゴールに近い箱根スパイラルは、アシスト鹿島がエース眞露を引いている形態であり、南大アランがエース川崎を引きながら、一〇キロ手前で、三〇〇メートルあった距離を一〇〇メートルまで縮めてきた。

 また、南大のアランに負けないくらい速いスピードで、先頭箱スパを射程圏内に捉えていたERCは、南大からおおよそ六〇メートルあたりまで詰め寄っていた。

 

ゴール4キロ手前地点

 逃げる箱根スパイラル鹿島に五〇メートルまで迫った南大アランの攻防は、ERCの春風が南大で足を溜めるエース川崎の後ろに張り付いたところから大きく動き出した。

「桜山さん、お願いします!」

 春風は、自身の限界を超えて回してきたトップスピードが落ちるすんでで南大に並べたことに安堵しながら、最後の力を振り絞りエース桜山を発射した。

「さあ、行くぜ! 川崎くん!」

 と桜山がレンジを上げた。

 これとほぼ同時に、アランがエース川崎を送り出した。

 

ゴール3キロ手前地点

 南大川崎のあとをピタリと着けるERC桜山が、二〇メートル先に箱根スパイラルの眞露を捉えた。

 全開スプリントに入っていた川崎と桜山が視界に入ってきた箱スパ鹿島は、遂に眞露をゴールに向けて送り出した。

「行って下さいな、眞露さん!」

「よくやってくれた鹿島、あとは任せろ!」

 と眞露はすぐ後ろに迫りきたふたりを振り払うべく、爆発的に加速した。

 沿道では大きな声援が上がり、眞露はどんどん引き離しにかかった。

 

ゴールの江ノ島まで残り2キロ

 眞露の後を追う南大の川崎と、ERC桜山の攻防が始まる。

「キング川崎くんよ、このまま眞露を協調で追うか? それとも俺と二着争いをするか?」

「その答えは、決まっている単独で一着を狙うさ」

「何だと?」

「俺も箱根スパイラルの一員だから、そんな協調などはしない」

「それで一着が狙えると言うのか?」

「フフッ、心配には及ばんよ、アラン! 前に出ろ!」

「な、何? 発射台が何でここに?」

「見くびるな! アランは強い、ツール・ド・フランスでの活躍したその実力は伊達ではない」

「な、何だと?」

 川崎の後ろに着けていたアランは、川崎の前に出て、再度引き始め、発射のタイミングを伺った。


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