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男も女も湘南ライドで恋を語る勿れ!  作者: 三ツ沢中町
第三章 湘南ライド 激走編
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第77話 スプリント勝負!

 二キロ手前、鎌学OB轟、チーム横須賀谷山らが先頭集団を捉え前に出た。

「キツキツで上がって来たけど、協調したおかげでここまで来れたな」

 と轟は、先頭に出た谷山に一声かけた。

 順位が入れ替わり、三番手を南大平良、その後をERC最上、少し開けて箱スパ天王寺、ジュニ選浜島、付属杉田が続いた。

 一キロ手前で浜島が仕掛け天王寺の前へ出て行ったが、杉田は天王寺にピッタリ着いていた。

 八〇〇メートル手前で箱スパ天王寺が2タップして動き出し、ダンシングに入った。反応した付属の杉田もこれに続くが、スピードが桁違いに速く、

「おいてかれる!」

 と叫んだ。

 これに反応できた南大平良もスパートをかけ、更に前を走る最上もそのタイミングで全力スプリント体勢に入った。

 六〇〇メートル手前で先頭は鎌学OBの轟、空けてERCの最上、南大の平良と続いた。

 チーム横須賀の谷山は何か不調を起こしたのか先頭集団から遅れ、そこを抜きにかかるジュニ選浜島、その後を超速で詰める箱スパ天王寺、続いて杉田が追っていた。

 四〇〇メートル手前で、最上、平良、轟が横並び、すぐ後ろに浜島、天王寺が横並び、そのあとを杉田が追う展開だ。

 三〇〇メートル手前で箱スパ天王寺が、先頭集団から抜けたERC最上、南大平良の後ろにピタリと張り付き、鎌学OB轟、ジュニ選浜島、付属杉田が後を追う。

 二〇〇メートル手前で天王寺がギアを更に二つ上げ一気に加速し、平良、最上の前に出た。

「なんて瞬発力で、バカ(はや)なんだ!」

 と呆れる平良に、

「フフッ、では失礼するよ!」

 と言い、天王寺は更に加速し二人を引き離しにかかった。

「ククッ、ついていけねー」

 ERC最上はそれでもなお食らいつこうと必死で追い(すが)るも詰めきれない。

 そして加速し始めた南大平良に、必死で喰らい付いた。

 ジュニ選浜島は二の足が踏めず、鎌学OB轟は失速、付属杉田は力不足でに置き去りとなった。

 一〇〇メートル手前で箱スパ天王寺が独走体制にはいり、最上と平良が横一線で追いかけた。

 結果は、箱スパ天王寺がスプリントポイント一位を獲得した。

 そしてゴール手前まで最上は僅差で平良にも抜かれてしまった。

「クソッ!」

 

 第一スプリントライン着順

 ❶天王寺尊5 箱スパ

 ❷平良ニ路15 南大

 ❸最上阿良隆44 ERC

 ❹浜島国久53 ジュニ選

 ❺轟新一郎34 鎌学OB

 外 杉田鉄26 南大付属

 ※右表示内容は、着順、氏名、ゼッケン番号、所属である。

 

 スプリント賞のファーストポイントは❶位から❺位までに与えられる。セカンドポイントは、ファーストポイントを得たものに与えられる特権のため、この時点でスプリント勝負はこの五人に絞られたということであった。

 

 スプリントラインを超えると、スプリンターは山岳区間に備えチームを待つことになる。

 そして、チームがスプリンターを回収して、山登りに入るのだ。


「最上さん! どうでした?」

「おう、なんとか三着だ」

「ヒュー、やりましたね」

「あとは、箱根を下ったあとのセカンドポイントは計測ラインまでの三キロ間のタイムがポイント化されるため、復路はスプリンターにとって気が抜けないよ」

「最上、お疲れ、あとは任せておけ!」

「天野さん後は頼みます!」

「あいよ!」

 チームERCは、この平坦コースを箱スパ、南大、鎌学OB、ジュニ選に続き五位で、小田原市の連歌橋(れんがばし)交差点付近の給水所に差し掛かった。

 

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