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男も女も湘南ライドで恋を語る勿れ!  作者: 三ツ沢中町
第七章 人も羨む夏休み
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第212話 ダンスダンスダンス

 紗矢香と結奈は向かい合って座り、春風は紗矢香の隣に腰掛けた。

 注文は並んでいる時にし終えていたため、席に着くや否や、そのオムライスたちは目の前に現れた。

「うわぁ、美味しそう」

「さあ、いただきましょう」

 三人衆は声を揃えて「いただきます!」と手を合わせ、この店で一番人気のキノコとブロッコリーのビーフシチューがけ鉄板オムライスを一口パクり。

「うーん、熱ウマ! 見た目も秀逸で、鉄板でクツクツと煮えるビーフシチューにオムライスを浮かべて食べるこの一口は、アマタのオムライスを凌駕する絶品」

「ちょいちょい、それは盛り過ぎでは?」

 と結奈が口を挟む。

「でもね、贅沢な一品であることは間違いないし、冬に食べたら更なる感動を受けるメニューね」

 と紗矢香は感想を述べた。

「ねえ、ここ見てよ」

 と紗矢香はこのメニューが冬季の人気NO.1で書いてあるところを指差した。

「あははは……真夏に食べても美味しいわ」

 と三人衆は顔を合わせて笑いあった。

 食事も終わりかけた頃、紗矢香が春風の口についた食べこぼしを取り、自分の口に入れた瞬間を結奈が見逃すはずもなく、

「紗矢香さんは、いつから早乙女くんの彼女さんでしたっけ?」

 と珍しく突っ込んでみた。

「ええ?」

 と紗矢香はなんだかわからぬままそう口にした。

「えええ? 食べこぼしですよ」 

 と心当たりをさぐる結奈に紗矢香は、

「あゝご飯粒のこと? 取ってあげたよ」

 といつものツンデレとは違うあざと可愛い感じで、切り返してきた。

 おいおい、よく見てるな二人とも。

 なんかこういうの、とても嬉しいけど、真夏に雪でも降るんじゃないのか……と思ってみたりした春風であった。

 

「さあ、食事もいただいたし、次は一九時からのダンスパフォーマンスパレードよ!」

 と言った結奈に対して紗矢香は、

「ところでさ、ダンスパフォーマンスとは何をするの?」

 と春風は尋ねた。

「そうだね、一言で言えば、キャラクターたちとじゃれ合うようにダンスで対決を楽しむイベントかしら」

 と結奈は答えた。

「ねえ、常盤さん、そのダンスはどんなダンスでもいいの?」

 と春風も関心を示した。

「大丈夫よ、子猫の真似した振り付けでも、空を泳ぐ真似をした振り付けでも、なんでもありなんだから」

「つまり、型にハマったダンスでなくても楽しく踊ればいいってことね!」

 あゝこういうの慣れていないふたりだから、想像できず、当たり前なんだけど、確認しちゃうんだね。


「ダントン、ダカダカダンダン、ダントンダカダカダンダン、ダカダカダッダ、ダカダカダッダ、ダンツダダッダ、ダンドンダカダカダッダ……」

 そしてダンスパフォーマンスパレードが楽隊のマーチに合わせて近くに見えて来た。

「うわぁ、迫力あるね!」

「あっ、出しからキャラたちが降りて散り散りになったよ」

「山車の上のドラマーが、ステックを上の方でカチカチやりだした!」

 

「ねえねえ、ピーナッツ娘が紗矢香さんをダンス相手に誘ってますよ」

「えっ、私?」

 と紗矢香はピーナッツ娘に手を引かれ、ストリート中央で向き合った。

「楽曲変わった!」

「ピーナッツがロボットダンス始めたよ、愉快愉快!」

 と笑う春風。

「今度は紗矢香さんだ。どんなダンス見せてくれるのかな?」

 と結奈がちょっと興奮気味に話した。

「ちょっ、ちょっと見て早乙女くん! フラダンスじゃない?」

 と結奈は度肝を抜かれたように驚いた。

「ピーナッツ娘が一緒に踊り出した。笑える!」

「あら、となりのマンゴー婦人も、フラダンス始めた!」

 気づいたら、みんなが揃ってフラダンス踊っていたのだ。

「紗矢香さん、いつのまにかフラダンスが踊れてるよ。凄い!」

 

 こうやって見てると、紗矢香さんのツンデレが嘘みたいにキュートに見えるねよ。

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