Q7 崎邪見温泉
崎邪見温泉はこの地方では最大の温泉地であり、約千年の歴史を持っている。
*読み方は、さきじゃみ、ではなく、なぜか《さきやみ》と読む。
地元の観光協会などでは、字が読みづらいという声もあり、「さきやみ温泉」という平仮名表記を使用するようにしている。
言い伝えなどもある。
最初にこの地に湯を開いたのは、大きな蛇と八匹の兎とされている。
大蛇と兎たちが棲む場所には池があった。近くに住む村人たちはその池が病気に効くというので、念仏を唱えながら賽銭を投げ入れていたという。
やがてその池が徐々に大きくなっていき、各地に温泉が出来ていったとされている。
その中でも八つの温泉が有名になり、八匹の兎たちが各々の温泉に難病や怪我に効くとされる妙薬を投げ込み、村人たちが飲用するとたちまち癒えたとされている。
兎たちはそれを確認すると月の光に照らされて消えていったと古文書には記載されている。
後に医学的にもこの地の霊泉はラジウム鉱泉であることが判明し、一気に開発が進んだともいわれている。
温泉街には旅館やホテルがニ十軒ほどが国道を挟んで点在する。
また「とび湖」など展望にも優れていて、周辺には霊山である「陀螺福山」や「陀螺福山延慶寺」、徒月寺など文化財も多く、観光拠点としても適している場所だ。
その一方で、歓楽温泉としても発展した背景があり、戦後まもなくして温泉街の北側に初めてトルコ風呂が進出したとされている。
そして歓楽色をより強めていくことになるが、近年はそういった風潮に対して周囲が冷ややかな目で見るようになったこともあり、風俗街化は縮小傾向になっている。
「さきやみ」=風俗街というイメージを払拭するために、最近では各々の旅館が全室露天風呂付きの新館を設立したり、趣向を凝らした温泉を開設している。
また地元のブランド牛である、「ダララ牛」を提供する店として、ニ十軒すべてに登録されていたりする。ダララ牛の特徴は顔が少し面長で、鳴き声もかなり野太い。そんな外見とは裏腹に、肉質は一級品で、サシが多いのにもかかわらずしつこくなく食べやすくなっている。
こういった努力を積み重ねることにより、着実にリピーターや新規顧客の数を増やしているのが現状だ。
ちなみに、さきやみ温泉の適応症は、神経痛、冷え性、腰痛、痔、あとは躁鬱にも効くみたい。
泉質はアルカリ性単純温泉となる。