Q32 TI
「どうだい、来週久しぶりに」
「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ。それに毎週やってるのに、まだしたいの?」
「そりゃ毎日でもやりたいねえ。ただし金と時間がない、ま、細々とやるのも楽しいさ。おっと、そんなことはどうでもよかったね。さてどうしたもんかなあ。久しぶりだしね、既存エリアを奪われるってことが」
「そのわりに、えらくうきうきしてない?」
「いやあ危機感から来る高揚感ともいうべきかな。どこの誰だか知らないが、まさかサキヤミ地区を取られるとは思わなかった」
「あらそう?あの男の力だとあんまし意外でもないけど」
「相変わらず手厳しいね。彼も結構な実力者だと思うがなあ。まあこれで里崎君は脱落ということだな。残念だ」
「そんなことよりもよ、この後の対応でしょ」
「世知辛いなあ、君は。まあ当分は大丈夫じゃないかな」
「どうしてそう言えるの?」
「今回の新しいマスターは恐らく素人だろう。当本人はまだ何もわからない状態に近いんじゃないかな。だからほかのエリアにも手を出そうとは思わんだろう、当面はね」
「《監視者》がいるでしょ、きっと裏で手を引いているはず。それの方が厄介じゃない?」
「そうなんだよ、それがネックだね。まあとりあえずは様子見だな」
「ほんといっつも呑気ねえ。いつか寝首かかれちゃうね、そんなんじゃ」
「怖いこと言うね。はいはい、わかってるよ。しかし、初登頂で見事登りきるとはね。非常に興味深いことだな」
「はあ、ダメだこりゃ」
このチャットのログは後にあるパソコンから見つかることになる。




