告白から始まる姉妹の恋の争奪戦(パラレルワールド)
今回は告白から始まる姉妹の恋の争奪戦の話です。(パラレルワールドの話です)
「シュラトが好きなの。私と婚約してよ」
「断る。僕には好きな人が居るんだ」
私はイアツネ伯爵家令嬢のマリアナ。
幼馴染みでランドル伯爵家子息のシュラトに告白したが、断られてしまった。
「好きな人って誰なのよ」
「誰だって良いだろう」
好きな人の事を尋ねたのに、教えて貰えなかった。
幼馴染みのマリアナ嬢から婚約して欲しいと、告白された。
マリアナ嬢はとても甘えん坊なので、とても婚約者には出来ない。
そもそも彼女は年下なので、恋愛対象にはならない。
僕の恋愛対象は年上の頼れる大人の女性だ。
実はマリアナ嬢の姉のリリアナ嬢に恋心を抱いている。
彼女は僕の理想そのものだ。
「シュラトくん、どうしてマリアナの告白を断ったの。好きな人って本当に居るの」
「マリアナ嬢は只の幼馴染みとしか思っていません。僕の好きなのはリリアナ嬢、貴女なんです」
リリアナ嬢からマリアナ嬢の告白を断った理由と好きな人が本当に居るのかと、問い詰められた。
これは告白する機会だと思い、勇気を振り絞って、彼女の手を握り、好きだと告白した。
「・・・・冗談よね。私は貴方より年上よ」
「年齢なんか関係ありません。貴女は私の理想の女性なんです」
「・・・・」
告白してしまったので、もう後には引けない。
「子供の頃から好きでした。僕と婚約して下さい」
そのまま婚約を申し込んだ。
「・・・・本気なの」
「もちろん本気です」
「言葉だけでは信用出来ないわ」
「それなら行動で示します」
シュラトはリリアナを抱きしめて、唇をふさいだ。
「・・・・」
「これで本気だと分かってくれましたか。それと返事を貰えますか」
「・・・・暫く考えさせてくれないかな」
「分かりました。良い返事を期待しています」
答えは保留されたが、取り敢えず脈はあるみたいだ。
「どうしよう。シュラトくんから告白されてしまった。しかも唇まで奪われた。私のファーストキスだったのに」
私は十九歳、彼は十七歳だ。
年上の令嬢は婚約者として、普通は敬遠される。
それなのに年齢なんか、関係無いと言ってくれた。
シュラトくんは幼馴染みで、彼が幼い頃から知っている。
昔は素直で、可愛い男の子だった。
今は成長して、とても逞しくなった。
私の理想の男性だ。
しかし妹のマリアナも彼に恋心を抱いているので、告白を受け入れる訳にはいかない。
リリアナは途方に暮れた。
神様、女神様、魔王様、誰でも良いから、教えて下さい。
「お姉様、どうでしたか」
マリアナから問い詰めた結果を聞かれてしまった。
真実を話すべきか、誤魔化すべきか、悩んだ末に真実を話す事にした。
「ごめんなさい。シュラトくんの好きな人は私なのよ。そして私もシュラトくんが好きなのを自覚してしまったのよ」
「・・・・質の悪い冗談はやめてよ」
「・・・・冗談ではなく、本当なのよ」
「お姉様の馬鹿。シュラトは絶対に渡さないからね」