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婚約破棄

今回は婚約破棄の話です。

「ルミア王女殿下と婚約したって、本当なの」

「うん、したよ」

私はイアツネ伯爵家令嬢のマリアナ。

幼馴染みでランドル伯爵家子息のシュラトが第三王女のルミア様と婚約したという噂を聞いて、彼を問い詰めたら、婚約したと返答された。

あれほど好きだとアピールしたのに、彼は気付いてくれなかった。

(シュラトの馬鹿。朴念仁。天然)

心の中で罵倒するしか出来なかった。

こうして私の初恋は終わったと、絶望感に包まれたのだが、数日後に事態は急変した。



「ラカチ嬢、どうか婚約は断らせて下さい。お願い致します」

またしても婚約を断られてしまった。

私はワパー辺境伯爵家令嬢のラカチ。

ドラゴンを素手の一撃で倒せる事を除いては、普通の令嬢なのに何故か婚約を三十六回も断られている。

私が他の令嬢達より未成熟なのが悪いのだろうか。

もうこの国に釣り合う家柄の子息は殆ど居ない。

このままでは一生結婚出来ない。



「シュラト様、貴方との婚約は破棄します。理由は真実の愛に目覚めたからです。私はナメダ男爵家子息ルレラフ様と新たに婚約します」

ルミア王女がシュラトとの婚約を破棄して、ルレラフと新たに婚約すると、王家主宰の夜会で宣言した。

ルミア王女の隣にはルレラフが寄り添っている。

「「「「「・・・・」」」」」

周囲の貴族達から呆れた視線を向けられているのに、ルミア王女とルレラフは気付いていない。

「分かりました。婚約破棄を受け入れます」

シュラトは平然とした様子で、あっさりと婚約破棄を受け入れた。


「シュラト様、私と婚約して下さい」

私はシュラトに婚約を申し込もうとしたが、ワパー辺境伯爵家令嬢のラカチ嬢に先を越されてしまった。

しかし今度は簡単には受け入れなかった。

「待って下さい。シュラト、私と婚約してよ」

私も婚約を申し込んだ。

「・・・・割り込まないで下さい」

「割り込みではありません。私は彼の幼馴染みで、以前から好きだったんです」

私達は睨み合い、修羅場となった。

「「「「「・・・・」」」」」

突然の修羅場に貴族達の呆れた視線が私達に向けられた。

「お待ちなさい。そのような事は私が許しません。シュラト様は私の婚約者です」

婚約破棄したのに、ルミア王女が割り込んできた。

どうやら他の令嬢達がシュラトに婚約の申し込みをしたので、惜しくなったみたいだ。

「貴女はシュラトに婚約破棄を告げたではありませんか」

「そうですよ。貴女は既にシュラト様の婚約者ではありません」

「ルミア王女殿下、貴女の婚約者は私ですよ」

更にルレラフが割り込んできた。

修羅場は一時間以上続いた。

「「「「「・・・・」」」」」

いい加減にしてくれという貴族達の視線に気付き、修羅場を中断して、後日に改めて話し合いをする事になった。


「絶対に諦めてたまるか。必ずシュラト様を手に入れる」

私にはもう後が無いので、絶対に諦めないと誓った。


「シュラトは私の幼馴染みなのよ」

他のお邪魔虫に取られてたまりますか。


「シュラト様は私の婚約者よ」

シュラト様をあんな女達には渡しません。


「何故なんだよ。ルミア王女殿下は私の婚約者になったのに」

ルミア王女は私の婚約者だから、決して誰にも渡さないからな。


「ルミア王女殿下と結婚しなくて済むと思ったのに、こんな状況になるなんて、信じられない」

どうやらシュラトはルミア王女と結婚したくなかったみたいだ。

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