93:まだ同盟強化計画、考え中です!
■アデル・ロージット 17歳
■第500期 Cランク【赤の塔】塔主
「悩ましいですわね」
魔物リストを見ながら延々と悩む時間。それもまた塔主としての仕事のうちです。
戦力強化に向けた課題。そのうち<魔力感知><領域系スキル>については問題ありません。
ただでさえ【赤の塔】は火属性に偏っているので、探そうと思えばいくらでも探せます。
問題は<悪意感知>。つまりは神聖属性なのですが、最初は諦めていたものの調べてみたら判明したのです。【赤の塔】にも神聖属性がいると。
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□カーバンクル/A/7,500TP
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こちらですね。Aランクですから気軽には何体も召喚とはいきませんが。
それと固有魔物も。
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□フェニックス★/S/60,000TP
□赤竜メテオノーラ★/S/64,000TP
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このフェニックスが神聖・火属性らしいのです。聖獣扱いもされているらしく、まさしく探していた人材、いえ魔物材と言えるでしょう。
しかしSランクの固有魔物です。眷属化まですれば120,000TPもかかってしまう。
おまけに眷属枠が残り一つしかありません。それで悩んでいたのです。
ただ思ったのです。あの【風】同盟との戦いの際、フッツィルさんはDランクであるにも拘わらず無理をして固有魔物――彩鳥シムルグを召喚・眷属化していたと。
もちろんあれはAランクの魔物ですからTPの多寡は違うでしょう。
とは言え「この戦いに賭けている」という意気込みを感じたのも事実。
それに引き換えCランクのわたくしは固有魔物を一体も召喚していない。この差はなんだと。
わたくしは恥ずかしくも思うのです。こんな調子で何が覇道だ、なにがバベルの頂点だ。
シャルロットさんもTPをほぼ空にしてまで妖精女王を召喚した。紛れもなくSランクの固有魔物です。
それに引き換えわたくしは――
「よし! フェニックスを召喚します!」
「おお、ついに決断したか」
「名前はクルックーにします!」
「えぇぇぇ……(小声)」
■フッツィル・ゲウ・ラ・キュリオス 50歳 ハイエルフ
■第500期 Dランク【輝翼の塔】塔主
今、【彩糸の組紐】では空前の戦力強化ブームがきておる。
レイチェル殿から指南を受け、【傲慢】一派との確執を経て、もっと強くならなければと皆が皆意気込んでおる。
わしの【輝翼の塔】も強くしたいとは思っておるが、皆とは方向性が少し違う。<魔力感知>や<領域系スキル>は考えんでいいからのう。
強いて言えば<悪意感知>ということで神聖属性の魔物を見るが――
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□ヴィゾフニル/B/3,700TP
□ガルーダ/A/6,300TP
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判明したのがこれくらいで、しかも<悪意感知>を覚えるかは分からぬ。
ならば単純に塔の魔物の質を上げ、TPをより稼ごうという方針にした。
塔主戦争報酬の魔物も残っておるしな。
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□イスバザデン★/S/45,000TP
□ラヴァタートル/B/3,000TP
□フェンリル/A/7,600TP
□風精霊/C/700TP
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さすがに固有魔物を召喚するほどの余裕はないがとりあえずフェンリルと風精霊は確定。
ただ眷属枠が埋まっておるからそこは如何ともしがたい。
あとは調査を多めに、という所かのう。ターニア様と連携して多くの塔の情報を探る。
もちろん【傲慢の塔】の同盟は念入りにじゃが……お目当ての【傲慢】と【死屍】が探りづらいというのが痛い。
【傲慢】はAランク相応の魔力ということもあるが、おそらくレイチェル殿が言っていた【傲慢の悪魔ルシファー】とかいうヤツの影響で闇魔力が高いのじゃ。
仕方なしに他の同盟の塔から探りを入れているが、とても完璧な調査とは言えぬのう。
【傲慢】とは全く関係ない塔も調べてはいる。
いい感じの魔物を囲っていて、尚且つ勝算があれば塔主戦争を仕掛けてTPを稼ぎたい。
ドロシーとかに勧めるのもありじゃな。同盟全体が強化されるに越したことはない。
そんなことを思いながらファムに意識を向ける。
さて、どこかにTPは落ちていないもんかのう。
■シャルロット 15歳
■第500期 Cランク【女帝の塔】塔主
私も皆さんと同じように塔を強化しなければいけません。
元より配置している魔物の全体的なランクの低さというのは課題ではありました。持ち味でもありますがね。
侵入者相手の防衛だけ考えれば現戦力でも問題ないのですが、塔主戦争を考えればやはり戦力強化は必須でしょう。
それと対【限定スキル】についての課題ですが、私の場合【付与魔法】がありますしターニアさんが優秀なので、優先すべきは『神聖属性』となります。
【女帝の塔】の魔物というのは『クイーン系統』『城に則った魔物』『騎乗・番犬用の魔物』という感じで偏っています。
その中で神聖属性はないかと調べたわけですが――
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□ペガサス/C/1,500TP
□ユニコーン/B/3,300TP
□ヴァルキリー/B/2,700TP
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騎乗系の魔物の中にあるユニコーンですね。これが神聖属性だと。
ペガサスは光属性でヴァルキリーは騎手としての魔物扱いのようです。
「馬ですか……どこに配置するのですか?」
「それが問題です」
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・一階層:帝都+城門前広場
・二階層:エントランス+衛兵控室
・三階層:地下牢獄
・四階層:トラップ回廊
・五階層:庭園
・六階層:城内探索
・七階層:大書庫
・八階層:ダンスホール+小部屋
・九階層:多角形の部屋+大ボス部屋
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【女帝の塔】は『平野』のような広々とした階層がありません。『庭園』もお城の中庭っぽくしているので厩舎もなければ馬が走れるようなスペースもないのです。
強いて言えば『大書庫』や『ダンスホール』に広めのスペースはあるのですが、走り回れるほどの広さとも言えないですし、何よりお城の中に馬がいるというのはどうも……。
「やはり庭園ではないでしょうか。例えば半分を中庭、半分を馬専用にするですとか」
「一体だけじゃないんでしょー? 半分だけでスペース大丈夫なの?」
「それは直接お聞きすればいいんじゃないかしら~お馬さんに。大丈夫? って」
「五階層がいきなり強くなりすぎではありませんのぉ? Bランクが何体も」
「であれば元々庭園に配置していたビークイーンをいっそのこと――」
「そしたら全体的にさ――」
いつもの六人女王会議(エメリーさん含む)で話し合った結果、まずはユニコーンとヴァルキリーを一体ずつ召喚し意見を窺いつつ、階層の修正と全体的な見直しを順々にやっていこうという感じになりました。
そうして召喚。
魔法陣から出てきた魔物は目の前に並ぶ玉座にビックリする、というのが【女帝の塔】の定番です。
ヴァルキリーは翼が生えていて鎧を纏ったキレイな女騎士さんですが、慌てて片膝ついていました。緊張を解いてもらいつつ説明し、相談です。
「ではユニコーンさんはその程度のスペースがあれば問題ない。それと綺麗な水の池が欲しいと」
「ブルルゥ」
「とりあえず三体ずつとしますがヴァルキリーさんはそれで大丈夫ですか?」
「ハッ! ……できれば鞍と手綱をつけて頂けると助かります」
「分かりました。それは用意します」
「ありがとうございます!」
「あと寝床の準備と――」
そんな感じで話は進みます。やることいっぱいで忙しいですね。
……また喋れる魔物が増えたのでドロシーさんから何か言われそうですね。
女帝の新戦力としてユニコーン&ヴァルキリー追加。ヴァルキリーは飛べるので本当ならペガサスとかがいいのでしょうね。
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