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新米女帝の塔づくり!~異世界から最強侍女を喚んじゃいました~  作者: 藤原キリオ
第三章 女帝の塔は味方を増やします!
52/486

52:五塔同盟の余波があるみたいです



=====


 (前略)


 ――しかし穴掘りチビ(ドワーフ)ばかりか獣まで同盟に引き入れるとは何事か。

 其方にはエルタート王国民としての誇りはないのか。

 まあ辺境の田舎娘の考えなど高貴な私には理解できないのも仕方ないとは思うが。


 それでも一人の王国貴族として忠告しておく。

 即刻、亜人との同盟は破棄せよ。奴らなど百害あって一利もない存在なのだからな。



 おまけにメルセドウ貴族とも同盟などと……私は開いた口が塞がらなかった。理解できないにも程がある。


 かの国は魔法が達者だと謳ってはいるが、その実は引き籠って本を読み漁るだけの根暗の集まりだ。外に赴き武を振るうということをしない。

 その中でもロージット公爵家は辺境に置かれて爪弾きにされている名ばかりの公爵家であることは疑いようもない。


 其方が引き入れたアデル・ロージットはそうした者なのだ。

 おそらく十色彩(カラーズ)だからとか、英雄ジータがいるからとか、そうした理由があったのだとは思うが同盟を結ぶなど愚策としか言えない。

 メルセドウと繋がるなどエルタート貴族からすれば恥以外の何物でもないのだからな。



 即刻、同盟を破棄しろ。

 さすれば其方は晴れて我が同盟『選ばれし精鋭(チューズドワン)』に参加できる資格が得られる。

 これは依頼ではない。平民である其方に対して貴族である私からの『命』である。


 エルタート王国に栄光あれ。


 【傲慢の塔】塔主 シャクレイ・アゴディーノ


=====





■シャルロット 15歳

■第500期 Dランク【女帝の塔】塔主



「……と、こんな感じでお手紙が来ましてね」



 時はアデルさんとノノアさんと同盟を結んだ直後にさかのぼります。

 以前にもドロシーさんとの同盟を破棄しろとお手紙を送ってきた人からまた送られてきました。

 私と同じエルタート王国の伯爵家長子の人。今はAランクの塔主さんですね。


 私としては無視する気ですし、皆さんの悪口ばかりで怒り心頭なのですが、一応同盟の情報共有ということでお伝えしないわけにもいかず……こうしてお話しているのです。



『シャルロットさんに言うのも何ですが、エルタート王国も大概ですわね。まあわたくしのメルセドウ王国も同じようなものですが』


「アデルさん……なんかすみません。私の国の人があんなで……」


『人間主体の国で人種差別というのはどこでもあるものです。それが貴族ともなれば顕著になるもの。貴族が絶対であり、下に平民、さらに下に他種族と……見下すことが日常なのですわ』



 貴族であるという特権を維持する為に他者を排する。


 それは親からの教えであり、教育機関の教えであり、家の繋がり、派閥の繋がり、そういったもので植え付けられる思想のようなものだとアデルさんは言います。


 そうした貴族の治める土地でも制度によっては平民に同じような思想が植え付けられる。

 だからこそ差別的な国や領、街が出来上がる。


 アデルさん曰く、エルタート王国もメルセドウ王国も、思想的には人種差別が激しいというわけでもないそうですが、それでも一定数の差別主義者はいるそうで。


 おそらくシャクレイさんという人も、自分の考えが間違っていないと本心から思っているはずだと。

 それくらい根底から貴族至上主義が根付いているのだろうと溜息まじりに仰っていました。



『メルセドウが魔法バカで根暗者の集まりだというのもある意味正解ですわ。良くも悪くも魔法の腕で評価される国ですから、研究熱心な者も多いのです。近接主体の他国から見れば臆病な後衛職ばかりの国と見られるのですわ』


「え、でもアデルさんは剣も魔法もできますよね」


『だから持て囃されたというのもありますわね。しかしわたくしにしても剣より火魔法に特化していましたから、やはりそこは″お国柄″と言えるでしょう』



 なるほど。魔法を重視する国において火魔法に優れ、尚且つ剣の腕前もあった。

 だからこそ『神童』と呼ばれていたわけですか。アデルさん、さすがです。



『人間の国は大変やなー、ウチは亜人言われようが穴掘り言われようが無視やけど』


『わ、私が同盟に入ってしまったばっかりにすみません……』


『わしがエルフだとはバレておらんようじゃな。ハイエルフじゃが。バレたら同じように言われるんじゃろうなあ』



 御三方には申し訳ない気持ちがあります。仮にも私の故郷の貴族ですから。差別しているのは。


 でも御三方からすれば「また人間がくだらないことを言っている」「どうせ言われるのは分かっている」という感じのようで、そこまで敵愾心は持たれていないようです。



 とは言え、私個人としては友達を馬鹿にされているわけで、私のほうこそ「国の恥」と言いたいところです。


 やはり元同国民だとしても相容れられない。

 あの方がちょっかいを出して来たら私が対処するしかありません。



「皆さんの方には何かありましたか? 同盟を組んだ影響でいちゃもんをつけられたとか」


『ウチはないな。今の塔主でドワーフはウチ以外にゴルドッソさんちゅう人だけやし、その人とも連絡はとってないねん。多分どっか別の集落なんやと思うけど』


『わしも皆無じゃな。正体を隠しておるから当然じゃが』



 現在、四百以上ある塔の中でドワーフの塔主はドロシーさんともう一人のみ。

 四種族の中では一際少ないですね。エルフでさえもう少しいらっしゃったはずです。圧倒的に人間が多いのは変わらないですが。


 その方はゴルドッソさんと仰るBランク塔主です。以前にお聞きしました。

 塔は【土の塔】。六元素(エレメンツ)の一つですからかなり有名です。

 二〇年近くも塔を維持されているとか。それでもBなのか、とも思いますがね。


 ともかくドロシーさんに変な物言いをしてくるような人はいないと。



 フゥさんの場合は正体をバラせば他のエルフ塔主が接近してくるのが目に見えています。それが善意か悪意かは別として。


 エルフの中でも高位の存在ですからね。特に精霊信仰者の中では教皇様以上の存在なのではないでしょうか。私の想像ですが。


 例えばAランク【緑の塔】のクラウディアさんという方が有名です。

 塔自体が十色彩(カラーズ)なので有名というのもありますが、その塔主の女性がエルフなのです。


 以前、フッツィルという名前を出せばバレるのでは? とお聞きしたことがありますが、フゥさん曰く、生まれてすぐに聖殿という場所でほぼ軟禁状態で生活していたそうで。


 どうやらハイエルフというのはエルフにとっても劇薬に等しいとかで秘匿されるものなのだそうです。

 てっきり女王様のように祀られていたのかと思いましたが、まるで逆でした。


 それは外の世界に憧れるでしょうし、勝手に街中をぶらつくのも分かる気がします。フゥさんが無邪気なだけではなかったのですね。



『わ、私は例のヴォルドックさんたちからお手紙がきまして……その……調子にのるなとか、さっさと死ねとか、人間に媚び売りやがって、とか……』


『救いようのないおバカさんたちですこと。【風】のヴォルドック、【甲殻】のタウロ、【暁闇】のペルメですわね』


『BCCの同盟じゃな。獣人も数が多いと変なのがおるのう』


『戦争や! そないな同盟、塔主戦争(バトル)で蹴散らしたるわ! エメリーさんが!』



 いや、お気持ちは皆さんと同じなのですがエメリーさんを武器扱いしないで下さい。

 エメリーさんも後ろで「お任せ下さい」とか言わないでいいです。……まあその時が来ればお任せするかもしれませんが。



 ともかくノノアさんはやっぱり獣人の中でも【弱き者】と見られているそうで、強さを重んじる獣人の中では差別されると。


 【世沸者の塔】の改装で少しは払拭できればいいのですが……どうですかね。

 一度見下した相手を評価するというのは難しいような気がしています。

 特に自分が強い、自分が偉いと思っているような人たちには。どこかの貴族と同じですね。



 その点、アデルさんは差別などせず、私ともこうして仲良くして下さっています。

 稀なのかどうかは分かりませんが、そんなアデルさんとお友達になれたのはやはり良縁だったということでしょう。



『わたくしのところは相変わらずですわね。近づこうとする者、嫌がらせをしてくる者、同盟から塔主戦争(バトル)の申請まで毎日何かしらありますわ』


『うわー、有名人は大変やなー。シャルちゃんトコはそうでもないんやろ?』


「こちらはお手紙ばかりですね。塔主戦争(バトル)申請がほんの少しといったところですかね」


『わたくしの場合、自分で言うのも何ですがもともとの知名度がありますからね。そこへきてジータを喚び、十色彩(カラーズ)の塔を授かった――それだけで十分注目に値されるでしょう』



 当たり前のように言いますが、それを淡々と話せるアデルさんの度量の広さに驚かされます。


 単に貴族として扱いに慣れているから、というだけではないのでしょう。

 何を言われても心を乱さず、自分の考えを押し通す力強さ。

 それは私の目指す【女帝】のようでもありました。


 私もアデルさんから学ばなければなりません。

 その為にも日々勉強、特訓、成長。

 今日もエメリーさんに<教育>してもらいましょう。




ええい、あの【傲慢の塔】とかいうストレートすぎる名前のシャクレ野郎、相変わらずやりおる。

どこまで当て馬臭を放つつもりか。


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