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新米女帝の塔づくり!~異世界から最強侍女を喚んじゃいました~  作者: 藤原キリオ
第二十四章 女帝の塔は節制同盟と戦います!
483/486

462:同盟戦、決着です!



■アデル・ロージット 19歳

■第500期 Bランク【赤の塔】塔主



 魔力欠乏症――魔力切れの時などに起こる倦怠感や目まい、嘔吐感などの症状を言います。

 魔力を多く持つ者ほど、そして一気に失われる量が多いほどその症状は大きく出ます。


 シンフォニア伯は元宮廷魔導士ですから当然人並み以上の魔力は保有しているでしょう。

 そしておそらくあの『光の檻』は大量の魔力を消費するような限定スキルであった。

 フッツィルさんとも話しておりましたが、シンフォニア伯は魔力回復薬を服用しながら限定スキルを行使していたはずです。



 二発目、ヨギィを捕らえるところまでは順調だったのでしょう。

 それからハルフゥを捕らえるまでにはかなりの時間を要していましたから、その時点でろくに回復も出来ないほどの欠乏状態だったと思われます。


 その上でエメリーさんが予想より速く上がって来てしまった。

 回復しきっていない身体で無理矢理、限定スキルを使ったのでしょう。それで気絶するほどの欠乏状態になったのだと思います。



 急いで行使したには遅く、エメリーさんに多少なりとも自由な時間を与えてしまった。

 たった一分足らずの時間はあまりに致命的で、三つ首竜とミカエルの両主力を喪ってしまったのです。

 それでもエメリーさんを止めなければという意思はご立派ですが……それで倒れてしまっては全てが無意味ですわね。



 シンフォニア伯が倒れたことで全ての『光の檻』は解除されました。

 エメリーさんだけでなく、スカアハ、ヨギィ、ハルフゥも自由を取り戻したのです。


 エメリーさんはまずロイヤル部隊を蹴散らし、シンフォニア伯の様子を見に行きました。

 そこには倒れ込むシンフォニア伯と、その傍らには杖と戦旗が落ちていました。

 おそらくシンフォニア伯とデルトーニの神授宝具(アーティファクト)でしょう。これの効果で今まで隠れていたのだと思います。



『お嬢様、この者はいかがなさいますか?』


「どうしたらいいですか?」


「杖と戦旗は回収して、まだ殺さないでおいて下さい。階層の魔物を殲滅後なら殺しても構いません」


「了解です。エメリーさん――」



 ここでシンフォニア伯を殺せば【節制】の魔物は消えてしまいます。

 魔石と召喚報酬を得るためにもしっかり斃しきらなければなりません。

 とは言え、万が一シンフォニア伯が復活し、神授宝具(アーティファクト)を使われても困りますのでね。そちらだけは回収しておきます。



 その後の殲滅は言うまでもありません。

 敵にはすでに指揮官もおらず、唯一残っていた固有魔物――地竜も魔竜剣を携えたジータとバートリの前では相手になりません。

 あとは残る配下の魔物をそれぞれに斃していくだけの作業となりました。


 エメリーさんが来てから戦局は非常に有利となりましたが、それまでは相応に苦戦したと言ってよいでしょう。

 五十体近くの魔物を喪いましたし、結局は固有魔物という″質″による力押しになった感はあります。


 あの戦旗の効果だったのか敵も妙に強かったですしね。

 それであそこまで戦えたのは、回復役が多かったのもそうですが、それ以上に上手く連携がとれていたからではないかと。



 わたくしも正直、ここまでスムーズな連携が見られるとは思っておりませんでした。

 ハルフゥや各隊長のおかげというのも勿論なのですが、それ以外にも何か理由があるのでは……そう思わずにはいられないほどでした。

 チラリと隣のシャルロットさんのお顔を見ますが……まさかそんなわけはありませんわよね。



 十八・十九階層の殲滅を終えた攻撃陣はまずシンフォニア伯を斃し、その足で階段を上ります。

 エメリーさんが先頭、離れてターニア様、階段に他の隊長格といういつもの布陣です。

 しかし、何か仕掛けて来るようにも見えませんでした。残った三塔主は項垂れるばかりでエメリーさんのほうを見ようともしなかったのです。


 わたくしはシャルロットさん経由でお願いし、即座に全ての宝珠(オーブ)を砕いて頂きました。

 これで終わり……ですわね。



『は~いしゅ~~りょ~~! こっちの同盟の勝ち~~!』


「ありがとうございます、神様」


『結構面白い感じになったけど結局圧勝しちゃったね~。もうちょっと条件をキツくしても良かったかな~』


「ご冗談を。こちらはかなりやられたと思っておりますわよ」


『またまた~』



 本当に冗談じゃないですわよ。確かに喪った主力と言えばマンティコアフレイムと眷属三体くらいのものですが、多くの魔物を喪いましたし、残った攻撃陣も満身創痍の者が多いのです。

 これ以上、条件がキツかったら本当に負けてしまいますわ。



『とりあえずいつもみたいに家探しが終わったら塔を消しちゃうね。分配もいつも通りシャルロットちゃんの宝珠(オーブ)でよろしく~』


「はい」


『あと明日を休塔日にするんなら速攻で申請してね。もう夜も遅いからさ』



 そう言って神様の画面が消えました。

 ああ、もうこんな夜分だったのですね。気付きませんでしたわ。

 【赤の塔】はさすがに休塔日にしましょうか。消した魔物の配置し直しだけでもかなり時間が掛かりそうです。


 他の皆さんは明日も通常営業するそうです。

 これから分配したり魔物の移動をしたりとまだ仕事は残っているのですがね。何とも逞しいことです。


 明日はおそらく冒険者ギルドでも大騒ぎになるのでしょうが、なだれ込むであろう侵入者の受け入れをお願いする意味でも営業して下さるのは助かります。

 欲を言えば、明後日はわたくしの塔も賑わって欲しいものですわ。



「んじゃまた先に戦果順でも決めとこうか」


「一位はアデルで良いじゃろ。エメリーの戦果が大きすぎるから悩みどころじゃが」


「敵攻撃陣の固有魔物三体と、最後の二体やな。主力も主力やし」


「いえ、今回はフゥさんとドロシーさんのほうが事前段階から働いて下さっていましたし、私は後回しで結構です」



 そんな押し付け合いのような状況になりましたが、わたくしたちにとってはいつものことです。

 最終的には、わたくし、フッツィルさん、ドロシーさん、シャルロットさん、ノノアさん、シルビアさんという順になりました。


 フッツィルさんは結局ブリングもシュルガットも戦わせることが出来ませんでしたけどね。

 しかしフッツィルさんがいなければ事前に打ち合わせることも出来ませんでしたので、今回はそこを考慮した形になっております。



 しばらくして攻撃陣が帰還して来ました。

 やはりというべきかシンフォニア伯は結構な財産を抱えていたようで、それをヨギィが収納して持ち帰って来たようです。

 ということはエメリーさんのマジックバッグでは入りきらない量ということですわね。また家具なども持って来たのでしょうか。


 まずはバベルジュエルと魔石を集計して分配するところからです。



=====


 【節制の塔】481,300TP

 【戦車の塔】310,170TP

 【蒼刃の塔】196,800TP

 【魔霧の塔】167,290TP 【合計】1,155,560TP

 【魔石】 約65,000TP 【総計】約1,220,000TP


 ⇒【分配配当】約203,400TP


=====


「ひゃ、ひゃくにじゅうまん!?」


「六塔で割っても二十万ですか……さすがと言いますか何と言いますか……」


「配置数制限のせいで事前に召喚しておく魔物がいなかったんじゃないかのう。であればわしらにとってはありがたい条文であったと言えるが」



 それも確かにあるでしょうけれど、それ以前に高位貴族ですからね。貯蓄は沢山持っていて当然とも言えます。

 いずれにせよわたくしたちはありがたく享受するのみ。非常に助かりますわ。



 それから話は召喚報酬の分配へ。

 まず、主だった魔物がこのようなものです。


=====


【節制の塔】

 節制の天使ミカエル(★S)、三頭竜ファウスギドラ(★S)、鎧巨人デュラント(★S)、レオボルケイノ(★S)、界魔導シューディ(★A)、赫騎士カラドック(★A)、翼人将ヘスペロス(★A)

 座天使(スーロン)(A)、ホーリードラゴン(S)、ギガントアーマー(S)、サジタリアナイト(A)、ファイアドレイク(A)、レッドワイバーン(A)、ジズ(S)、ロイヤルシリーズ等


【戦車の塔】

 百獣騎バルバロス(★S)、マンティコアブレイド(★S)、アーマードレイク(★A)、シャドウイーター(★A)、雷鷹ビョルンド(★A)

 マンティコア(A)、雷貴精(トール)(A)、サジタリアナイト(A)等


【蒼刃の塔】

 千剣竜ライナルエッジ(★S)、クリスタルマンティス(★A)、蒼騎士ガングラン(★A)

 ソードドレイク(A)、ミスリルマンティス(A)、天貴精(マルト)(A)、空貴精(シルフス)(A)、ルサールカ(A)、ケイブンキング(A)等


【魔霧の塔】

 霊導ジルエ(★S)、霧蛇スェルテゴーニ(★A)、嵐鷲アイロネート(★A)

 スピリットレギオン(S)、スペクター(A)、ダークナーガ(A)、ウィッチクイーン(A)等


=====



 Aランク以上を抜粋しただけでもこれだけの量があると。

 とりあえず三体ずつほど振り分けてみようとなりまして、順に取っていった結果がこのようなものです。



=====


【赤】節制の天使ミカエル(★S)、レオボルケイノ(★S)、嵐鷲アイロネート(★A)


【輝】百獣騎バルバロス(★S)、マンティコアブレイド(★S)、雷鷹ビョルンド(★A)


【忍】三頭竜ファウスギドラ(★S)、千剣竜ライナルエッジ(★S)、蒼騎士ガングラン(★A)


【女】翼人将ヘスペロス(★A)、赫騎士カラドック(★A)、ドラゴンライダー(B)+ワイバーン・ドラコ各種


【世】霊導ジルエ(★S)、霧蛇スェルテゴーニ(★A)、アーマードレイク(★A)


【六】界魔導シューディ(★A)、シャドウイーター(★A)、鎧巨人デュラント(★S)


=====



 まず悩んだのが界魔導シューディ……スキルを防ぐ例の亜人の処遇ですが、これは誰もが欲しがる魔物です。

 ただ同盟全体で見た場合、【輝翼の塔】以外のどこかとしたほうがいい。【輝翼】にはすでにブリングがおりますからね。


 他五塔の中で一番諜報されて危険なのが【六花】ということで、強制的にシルビアさんの第一巡目はシューディとさせて頂きました。

 他四塔は諜報されたところで勝てる見込みがあるということですわね。わたくしとて欲しいは欲しいのですけれども仕方ありません。



 さて、それを決めた上で順々に決めていきます。

 わたくしは優先的にミカエルを。【赤の塔】に置くのが妥当だろうということでレオボルケイノを。

 そしてパタパタの部隊に入れようかとアイロネートを選びました。


 フッツィルさんは攻撃にも使える飛行前衛部隊が欲しいということでバルバロスとマンティコアのセットを。マンティコアは他にも欲しがる方がいらしたようですが空気を読んだ感じですわね。フッツィルさんに譲ろうと。

 あとは雷属性の鳥も欲しかったようでビョルンドを指名しました。


 ドロシーさんはパルテアの騎竜としてファウスギドラとライナルエッジを。飛竜と地竜のどちらでもということですわね。【竜翼】の報酬の翼蛇竜アンピプテラ(★S)は使わないつもりでしょうか。

 それと地上部隊の指揮官候補としてガングラン、ということだと思います。


 シャルロットさんはとにかく飛行戦力を欲しているようですわね。Sランクなどには目もくれずヘスペロスをまずは指名しました。

 カラドックも同じ理由なのですがドラゴンライダーに加えその騎竜も欲しいとかで、まとめてお譲りしましたわ。あれだけの活躍をしたのですから是非もありません。


 ノノアさんはまずジルエからですが【夢幻】の報酬で霊主ザムエラ(★S)もあるはずですので、もしかしたら組ませるつもりなのかもしれません。

 スェルテゴーニも【霧雨】報酬の霧魔獣ザイオン(★S)と合わせるのですかね。色々と考えていそうです。

 アーマードレイクは天井高がなくても使える物理防御特化の魔物ということで【世沸者の塔】でも使い勝手は良さそうですわね。


 シルビアさんはまずシューディは大前提として、斥候用のシャドウイーター、防衛用のデュラントを指名しました。

 ある意味、一番まともな戦力強化が出来たと言えるのではないでしょうか。ちゃんとした斥候役もおりませんでしたしね。



 と、このような形となったわけですが決めたのはほとんど固有魔物のみ。

 他にも有益な魔物は多いので、そこは相談の上、召喚することになるでしょう。

 ただ取得した固有魔物の配下は、その固有魔物を召喚した塔に優先して渡す形になりそうです。


 わたくしでしたらミカエルを頂いたので合わせて座天使(スーロン)(A)も頂く、という感じです。ミカエル単体でいても仕方ありませんしね。そこは譲歩して頂くと。


 ホーリードラゴン(S)やソードドレイク(A)はどうするのですかね。全てをドロシーさんが召喚したら、いよいよ七美徳(ヴァーチュ)五竜王(ドラゴニア)となってしまいそうですが……。

 それを含め、皆さんがどのような魔物を召喚するのか楽しみにしておきましょう。



 とりあえずこれでバベルにおけるメルセドウの貴族は王国派のみとなりました。

 一応【羽虫】のランブレスタ子爵がおりますが居ないものとしておきます。

 一先ずは安心出来ました……が、まだ気を緩めるわけには参りません。


 メルセドウがどうなっているのか確認もしなければいけませんし、【聖】同盟も残っています。

 これは一つの区切りであってゴールではない。

 バベルの塔主である限り、戦いは永遠に続くのですよね。


 とは言え今日くらいは自分たちを労うとしましょう。皆で掴み得た勝利なのですから。





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