序幕
「肩甲上腕関節接続完了。正常動作を確認。特殊装甲外皮展開。」
「内部主電源の充電率が規定値を突破。電位変動規定値内。」
「バイタル安定・・・メンタルプログラム正常値を確認。問題ありません。」
「各部最終チェック。接続準備。」
「・・・最終チェック完了。各部異常なし。」
「了解。全システム始動、オールコネクト。」
「全システムの接続を開始・・・・フェイズⅠ完了・・・フェイズⅡ・・・完了。」
「順調に進んでいますね先生。」
「・・・・」
「集中しろ。」
「・・・はい。」
「・・・・・・最終フェイズ完了。アンドロイド、起動します。」
「これで、ついに・・・・」
「・・・・・え?」
「なに、何?メンタルプログラムが異常値を検出しています!精神理論値マイナス百八十七!」
「発狂精神域じゃないか!すぐに鎮静プログラムを投与!精神状態を安定化させろ‼」
「駄目です!プログラムを拒絶、制御できません‼」
「くっ――‼」
「・・・全システムの緊急停止。」
「え。」
「急げ。」
「は、はい!」
「・・・・・・・うそ・・・なんで・・・なんで、何で止まらないの・・・」
「そんな、まさか暴走!・・・」
「・・・・うあぁっ‼」
「何で暴走するんだ!研究段階ではうまくいってただろ!」
「分かりませんよ!そんなの!」
「とにかく動きを抑える!奴を拘束しろ‼」
「・・・・・うわぁあああああああああ!」
「ゲホッ!カハッ!」
「あああ‼腕がぁあああああああああ‼‼」
「しっかりしろ!大丈夫だ!」
「・・・ああっ!アンドロイドが実験室を出て行きます!」
「追え!絶対に逃がすな!」
「はい!」
「・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・くそ、どうしてこんなことに・・・」
「先生、どうしましょう・・・」
「・・・・」
「私は反対だったんだ。こんな研究!どうするんだ!もう取り返しがつかんぞ!」
「・・・・」
「・・・っ!なんとか言えよ‼貴様の身勝手な研究の為に、俺たちまで危険に晒されたんだぞ!」
「ちょっと、やめてくださいこんな時に。」
「大体、なんでこんな下らない研究に俺が付き合わされなきゃならない!お前が勝手一人でやっていればよかっただろ!」
「―ッ‼いい加減に――」
「第三研究棟Dブロックにて火災発生!規模は現在確認中。ですが、研究材料に引火して既に三度の爆発が起きています!」
「・・・・何してる⁈消火を急げ‼増援を呼んでアンドロイドを取り押さえるんだ!」
「施設内全ての隔壁を閉鎖、並びに特別警戒アラート〈ランクAAA〉を発動。所内全職員の緊急退避を開始。」
「何言ってる?早くあいつを止めないと俺たちの立場が危ういんだぞ?」
「自分の立場より人命が優先。そんな事も分からないのか?」
「―ッ‼・・・」
「・・・・」
「先生!第二研究棟Aブロックで発砲音!アンドロイドによるものと思われます!」
「分かった。君たちもすぐに避難を。」
「・・・先生はどちらに?」
「・・・・・」
「・・・先生!」