高鳴り
3人で笑いながら話をしていると、私をここに連れてきた男が食事を持ってきた。
「賑やかだな。」
「彼は私の知り合いだったんでね。」
「そうなのか?」
「あぁ、私の命の恩人なんだ。」
「そうだったのか。」
「食事、ありがとう。いただくとするよ。」
彼から食事を受け取って、ディルクと食事をとることにする。
「レクスの分がなくて悪いな…」
「俺は腹が空かないから大丈夫だぞ!」
「味だけでも感じてみるか?」
「大丈夫だ!アッシュの飯が旨いから、他の飯はいらないんだぞ!」
「ほう、アシュレイの飯は旨いのか。」
「スッゴく旨いんだぞ!」
「普通だ。」
「それは一度食べてみたいものだな。」
そんな事を言いながら、2人で食事をする。
水の入ったコップを持つと、ディルクが
「乾杯しなくて良いのか?」
と聞いてきた。
「それはっ!レ、レクスが、お酒以外は乾杯しなくて良いって教えてくれてっ!」
顔が赤くなっていくのが分かる。
「ハハハ、そうか。」
「アッシュは、今まであんまり人と関わらなかったから知らなかっただけなんだぞ!」
レクスが私をフォローする。
「そうだったのか?」
「うん、まぁ、そうなんだ…」
「乾杯も、俺としたのが初めてだったんだよな!」
「あ、うん、レクスが教えてくれて。」
「そっか。」
ディルクは私を見て微笑んでいた。
「だからあの時、レクスを思い出して泣いてしまったんだな。」
「……っ!」
また顔が赤くなって、私は下を向いた。
ディルクには変なところを見られしまっている。
「あ、悪い、思い出したく無い事だったか。」
「ディルクには変なところをいっぱい見せてしまってて…申し訳ないっ!」
「そんなことはない。あの時のアシュレイは可愛かったからな。」
「「えぇっ‼️」」
レクスと2人で驚いた。
「そんなに驚く事か?」
「ダメだぞ!ディルク!アッシュはダメだぞ!」
「な、何を言ってるんだ、レクスっ!」
「あ、いや、今も可愛くない訳じゃないぞ。」
「何を言ってるんだ、ディルク!」
ダメだ、心臓が持たないっ!
恥ずかしくて、顔が上げられない。
ディルクは微笑みながら、私とレクスを見ている。
なんだ、これは!
心臓が素早く脈を打って、凄く煩い!




