表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
慟哭の時  作者: レクフル
第1章
6/363

少年レクス 2


「腰まである銀髪の30才後半位の女?

多分見たことはないと思う。

銀髪はこの辺じゃ珍しいから、見かけたら忘れないと思うし。

顔は兄ちゃんに似てキレイなのか?」


「顔は似ていると言われた事がある。」


「だったら見たらすぐ分かるよ。

分からないって事は、見たことがないって事さ。」


「そうか。」


「力になれなくてゴメンな。」


「それは構わない。

それだけが理由でこの街に来た訳ではないしね。」


「他になにかあるのか?」


「まぁ、な。」


あまりハッキリ言わず、視線を反らす。

レクスは然程気にせずに、エールを飲み干して


「おばちゃん、エールおかわり!」


とジョッキを掲げた。


「レクスと言ったか。君は何歳なんだ?」


「俺は12歳だぞ。酒くらいもっとガキから飲んでたさ。よく冒険者の兄ちゃんやおっちゃん相手に、鎧やら盾やらの装備をキレイに磨いて小遣いを貰うんだ。結構上手なんだぜ?そしたらさ、たまに飯を食わせてくれるんだよ。気に入ったってね。大人ってさ、酒を飲む子供が面白いらしくって、ドンドン飲ませて笑うんだよ。俺は小遣い貰えて飯食えるならそれでいいし、酒は旨いしさ。あ、兄ちゃんの肩当てとかも磨いてやろうか?」


「いや、私はいい。」


「遠慮すんなよ!

安くしとくしさ!ピカピカにしてやるよ!」


そう言って左肩に手を伸ばしてきた。


私はそれを右手で弾いた。


「……悪い。あまり触られるのは好きではないんだ。」


ビックリした顔でレクスは


「あ、イヤ、俺もちょっと調子にのったかな。

ゴメンよ。」


「いや、気にしないで欲しい。」


「あ、うん。分かった。」


「はい、エールだよ!」


と言って、おかみがおかわりを持ってきた。

ナイスタイミングだ。

レクスはそれをグビグビ飲んだ。

本当に子供にしては、良い飲みっぷりだ。


「あ、でさ、この街の事を知りたいって言ってたよな?かぁちゃんの事以外で何が知りたいんだ?」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=849298090&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ