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慟哭の時  作者: レクフル
第2章

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リンデの木に



街を歩く。



魔法の街 ヘクセレイ。



あちらこちらで、魔法の練習をする子供や若者達がいる。



魔道具を売っているお店も多くみられる。



武器屋も多く、特に杖がよく目にはいる。



御守りを手に、少女は大事な人の元へと走っていく。



全てにナディアの痕跡が見てとれる。



素敵な街だ。



素晴らしい街だ。



悲しい感情よりも、誇れる様な、嬉しい気持ちが胸を埋め尽くす。




ナディア




ありがとう。




貴女に会えて 良かった。




会えて 本当に良かった。










翌日、ヘクセレイの街を出た。


この街も、私にとっては名残惜しい街だった。


街を出て、暫く歩くと森がある。


威圧を纏いながら進むことにする。


森へ入っていき、ゆっくり森林浴でもするように歩く。


今日はあまり寒くなく、陽が暖かい。


気持ちがいい。


少し拓けた所に出た。


木漏れ日が優しく辺りを照らしている。


そこで立ち止まり、陽の光を浴びながら、リンデの木の元で四角の形の青の石を革袋から取り出す。







短剣を取り出し、そこに青の石を填める。






短剣と自分の体が、青く光り輝きだす。



全身を駆け巡る、あの感覚が身体中を巡り続ける。



目を閉じながら、その感覚に身を任せる。



身体中が暖かく、充たされるようで心地いい。



しばらくして、光が消え、元の状態に戻った。



辺りを見回す。



フワッと目の前を、何かが通った。



ああ、あれは精霊……



精霊たちが、物珍し気に、私を見ている。



青の石の力は、今まで見えなかったモノが見えるようになる、と言うことなのか。



この森にいる精霊たちが、楽しそうに私の近くを翔んでいる。






………ュ




………ッシュ





何か聞こえる?





辺りを見渡す。





……アッシュ





私を呼んでいる?!






目を凝らして探す。





リンデの木の枝に





見つけた。






そこには レクスがいた。







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