銀の髪
「あ、なたの 名前は…… アシュレイ…」
「はい。」
嬉しそうに微笑んで
「そう…… そう、 なのね……
あぁ、か、 神様、さい ごに、 ありがとう
ご、 ざいま、す…」
そう言って、涙を一滴、頬に流した。
「教えて頂けますか?……私の事を。」
ナディアの話を聞いた。
ゆっくりと ゆっくりと
彼女は私に話してくれた。
昔、ナディアは森の奥にある村で、ひっそりと暮らしていた。
その部族は他と交わる事を禁じ、自給自足の生活をしていた。
そして、その部族は魔法の力が他に比べて秀でており、その高過ぎる力を外部に出さない様に、他の血が混ざらない様に、ただひっそりと生きていた。
他の血が混ざらないように…。
ナディアは結婚し、娘を産んだ。
娘が14歳の頃、いきなり数多の兵が村に押し寄せ、男達は殺され、女達は連れ去られた。
いくら魔法の力が強くとも、人相手に戦った事等なかった村の者達は、呆気なく兵に村を滅ぼされたそうだ。
それでも散り散りに逃げ、何人かは生き残ったと思われた。
その生き残りがナディアだ。
ナディアは我が子、そして、生き残りの部族を探していたのだ。
「石を流行らせたのは、貴女だそうだが……」
「えぇ… 石は 我が、部族のた、宝で す。
村が、 襲わ、れた時、 7人、で、ひ、1つ ずつ、持って 逃げ たんで、す。」
「その1つが、貴女の持つ青の石ですか?」
「ええ、そう、です……」
ナディアは涙を目に溜めて続けた。
その石は、1つ1つに特性があり、それを持つ者は、その石の力を得るに足る者でないといけない、とされている。
能力の無い者が石を持ったとしても、何の効果もないんだそうだ。
その石の適性を持つ者でないと、宝の持ち腐れとなってしまう。
ただ、兵に襲われ逃げ出す時は、只その石を持ちだす事だけを考えていたので、適した者が手にしていた訳ではなかったそうだ。
ナディアは青の石を持ち出したが、何の効果も得られなかったらしい。
石の事を知っている者が、石を流行らせる事で、それに反応して、自分の元にやって来てくれるのを願ったそうだ。
しかし、何年経っても、魔法の街として、魔法使いを集める様に尽力しても、探していた同郷の人達には会えなかったそうだ。
その部族は、銀の髪が特長だったそうだ。
「私の母は、銀の髪です…」
言うと、涙を流しながら
「あぁ、や、やはり、そう だったの、ですね……!」
嬉しそうに涙する。
言いながら、不意に私の右手を掴み
「会いた、かった…!ずっと 捜して……!」
涙に声を詰まらせつつ、私を見つめる。
その姿に、右手を振りほどく事が出来なかった。
しかし、右手は何の反応も示さなかった。
ナディアの過去が見えなかったのだ。
右手を見ながら驚いた顔をして、私がゆっくりナディアの方へ顔をやると
「困った、 力、が、 あるん、です ね?」
私を見つめ、ナディアはそう聞いた。




