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慟哭の時  作者: レクフル
第1章

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緑の石


できた細道に入って行く。


凄い量の魔素が漂っているのが分かる。


疲労でよろめく体を壁に手をつきながら支え、先に進む。


拓けた場所までたどり着いた。


クオーツが言っていたとおりだ。


奥に淡い緑の光が見える。


そこまで行き、壁を調べる。




 

さて、どうやってここから石を取り出すか。




ふと腰に装着している短剣がカタカタ震えているのに気づく。


それを取り出し壁に短剣をあててみた。


すると、緑の光が大きくなった。




淡い緑の暖かな光が私を包み込んでいく。




全身が何かを駆け巡る感覚。




あの感覚だ。




足の先から頭の先まで、隅々を駆け巡るモノ。




癒す様に包み込むように、暖かなモノが全身に染み渡っていく。




ひとしきり身体中を巡り、ようやく落ち着いたら光も消えていた。




気づくと、私の体からはさっきまであった疲労感が全く無くなっていた。




短剣を見ると、柄には楕円形の、淡い緑の石がはめ込まれていた。


今回はどんな事が私の体におこったのか。


なんとなく分かっている。




それは、【癒しの力】だ。




元々回復魔法を使えたが、今得た力はとんでもない力のようだ。


まだ使っていないから詳しくは分からないが、ある程度の治療はできるだろう。


あとは試して確認するしかないのだが、街では滅多なことでは使えそうにない。


特に今はあの騎士達がいるのだ。


ほとぼりが冷めるまで、自粛するしかない。


いや、もうあの街にいる必要はないな。




このままでも旅に出れる。 




荷物は元々あまり多くはないし、殆どの物は空間魔法で収納出来ているし、必要な物と言えば当面の食料と水か。


食料は道中に倒した魔物で問題はないだろう。

水も、魔法を使えば出すことが出来る。


しかし、私は旅をするときは、なるべく魔法に頼りきらずに、他の旅人と同じ様にしたいのだ。


あまりに力に頼り過ぎてしまうと、本当に人の心を失ってしまいそうな感覚に陥るから。


せっかくこの街に来て、自分が他の者達と同じ様に感情を持てることが分かったのだ。

なるべくなら、その感情を持続出来るように、他の旅人と同じ様にしたいのだ。


どうしようもない時は仕方がないのだが……




でもそれよりも……




最後に、レクスやクオーツに挨拶だけでもしていきたい。




もう一度、彼らに会いたい。




会いたいんだ。






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