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慟哭の時  作者: レクフル
第6章

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愛おしくて


私に男が覆い被さってきて、必死に抵抗しようとするけど力が全然入らなくて……


涙を流して言葉にできずに何度も「止めて」と訴える。


男の手が私の下腹部を這っていって、段々と下に降りていって……


指で玩ぶ様に弄っていく……



嫌だ!


なんでこんな事!


誰か……!


助けてっ!



男は笑って、自分のモノをあててきた……!



嫌!


ディルクっ!


助けてっ!


エリアス!


嫌だっ!!



その時、扉が大きな音を立てて粉々に壊れた。


ディルクが……!


ディルクが来てくれた……!



ディルクは男を鷲掴みにすると、老いた男は更に老化していった。

それは、私がテネブレと一つになった時にした様な現象だった。


そのままだと男は死んでしまうかも知れない……


そうなれば、ディルクは罪に問われるかも知れない……!


辿々しく、ディルクを呼んで止めて貰う様に言う。

それに気付いたディルクが私を抱き締めて、何度も私に謝る……

ディルクはなにも悪くないのに……


それから、空間移動でディルクの部屋へ行く。


私を抱き締めたディルクが、何度も体を撫でながら「もう大丈夫だ……」と、安心させる様に呟く……

それでも涙が止まらなくて、あんな所を見られてしまった事が恥ずかしくて、まだ恐怖が残っていたから体の震えも収まらなくって、ただディルクにしがみつく様に身を任せていた。


ディルクが少しでも私から離れるのが怖くって、何度もどこにも行かないで、とディルクの服を掴んで言う……

ディルクはどこにも行かないと、何度も言って私を安心させる……

そして私から恐怖の感情を取り除いてくれた。



それから……



ディルクは私を求めて来た……



ディルクになら……



ディルクじゃないと……



だから……



私はディルクを受け入れた



身体中に口づけをされて



ディルクは私を愛おしむ様に抱き締めて



それからゆっくり



ディルクが私の中に来た



初めての痛みに声が溢れて



ディルクにすがるように抱きついた



私をいたわる様に ディルクはとても優しくて



伝わってくる痛みに耐えながら



でもディルクを感じられる事が嬉しくて



何度も何度も名前を呼び続ける



頭の中がディルクの事でいっぱいになって



何も考えられなくなって



痛みと幸福感と心地良さが入り交じって



ディルクの腕の中で意識が無くなっていく……



ディルクは何度も私を求めて来て



私もそれを受け入れて



ただディルクと一つになれる事が嬉しくて



私に夢中になっているディルクが愛おしくて



ディルクに愛されている自分自身が



とても愛おしく思えてきて



初めて自分の事を愛してあげる事ができたんだ



それからまた



ディルクがくれる痛みと共にある幸福感に抗えずに



ディルクの腕の中で意識が無くなっていく



身体中が痺れるような



どこかに行ってしまいそうな



そんな感じがして



力が抜けていって



それからどこかに深く落ちていく



荒く呼吸をするディルクと一つになったまま



ディルクは私を離さなくて



何度も何度も口づけをして



そのままで二人 抱き合ったまま



ゆっくりと眠りに落ちていく



それは今まで生きてきた中で



一番幸せな時間だったんだ……










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