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慟哭の時  作者: レクフル
第6章

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向かうしかない


アシュレイが帰って来ない……


今日は一日宿屋の部屋で待機していた。


アシュレイがいつ帰って来ても迎えられる様に、俺はこの部屋を離れる事が出来なかったんだ。


アシュレイが俺の元へやって来ようとすれば、どこにいても関係ねぇ。

けど、それを分かっていても、俺は動く事が出来なかった。



何があった……?


もしかして襲われたんじゃねぇのか?!


それとも、捕らわれてしまったとか……!


不安だけが俺の胸に巣食う……


頼む……っ!


無事でいてくれ!




夜が訪れ、朝が来ても、アシュレイは帰って来なかった。


俺は一睡もする事が出来なくて、ただひたすらここでアシュレイを待っていた。


日が昇り、俺は情報を得る為、ギルドに向かう。


アシュレイと知り合ってから、こんなに長い間会わなかった事はなかった。


もし俺が賞金首になってたとしても、そんな事は関係ねぇ。

とにかく、アシュレイの情報が得られる可能性があるなら、俺の事なんてどうでも良かった。

とは言っても、今捕まる訳にはいかねぇけどな。


朝一番にギルドに行って、ギルド長アルベルトを呼び出す。



「どうしたエリアス!今日は早いじゃないか!」


「アルベルト!聞きたいことがある!」


「なんだ?」


「この辺りで聖女が見つかったって言う情報はあるか?!」


「聖女?!回復魔法が使えるとか言う、あの聖女の事か?!」


「そうだ!」


「この辺りでは聞かないな……何故だ?」


「いや……何でもねぇ……」


「それより、エリアス、グリオルド国で何かあったのか?」


「え?!どんな事だ?!」


「お前達の事をグリオルド国が探っている様なんだ。お前何かしたのか?」


「………」


「そう言えばアシュレイはどうした?最近はいつも一緒だっただろ?」


「あぁ……」


「アシュレイと一緒に行動するようになってから、エリアスは優しい顔をする様になったからな。俺はアシュレイと旅に出ることを止めたが、結果良かったんじゃないかと思っている。」


「俺、そんなに尖ってたか?!」


「そう言う訳じゃないが……どこか踏み込めない所があった。他の職員達も言っていたが、エリアスは穏やかな顔つきになってきたってな。」


「それって冒険者としてどうなんだよ?」


「色んな感情があるって事は、どんな事にも良いことだ。アシュレイのお陰だな。」


「そうだな……」


「まぁ、グリオルド国で何があったが知らんが、こちらとしてはお前達の情報を隠す訳にはいかん。聞かれれば開示するのは仕方のない事だと理解してくれ。」


「あぁ。分かってる。」


「詫びとして情報を渡そう。これは聖女に関係するかは分からんが……」


「なんだ?!」


「ある女がグリオルド国のナルーラの街で捕らえられたらしい。それは爆発事件に関係のある者かも知れない、との情報だ。」


「それはどんな女なんだよ?!」


「そこまでの情報は……ただ、その女は手に触れるとすぐに大人しくなるから、捕らえるのは簡単だったらしい。なんの事かよく分からんがな。」


「……っ!」


「どうした?エリアス?」


「アルベルト!馬を貸してくれ!」


「馬を貸すのは構わないが……どうしたんだ?」


「グリオルドに行く!」


「エリアス、今グリオルドに行って大丈夫なのか?!匿う事は出来ないが、見逃す事は出来る。考えて行動した方が良い。」


「俺の事なんてどうでも良いんだよっ!」


「……アシュレイが関係しているのか?」


「…………」


「分かった。もう何も言うまい。外にいる黒馬に乗っていけ。いつでも構わんが、必ず返しに来い。アシュレイと一緒にな!」


「すまねぇアルベルト、恩に着る!」



アルベルトは一番足が速くて体力のある、俺と同じ髪色をした黒馬、ティトルを貸し出してくれた。

コイツと俺は相性が良い事を、アルベルトは良く分かってくれてるんだな。

有難てぇ……


ナルーラの街で捕らえられた女……


それは恐らくアシュレイだ。


手に触れると大人しくなる、と言う事は、アシュレイは右手をまた色んな奴に触られて気絶させられたんだな……


すまねぇ、アシュレイ!


俺が嫉妬なんかしちまって、余計な事を言ってしまったから……っ!


どこに連れて行かれたかは分かんねぇ……けど、まずはナルーラまで行って情報を集める。


国に捕らわれちまったら、助け出すのは簡単な事じゃねぇだろうが、それでも俺は動かずにはいられなかった。



アシュレイ……



頼む



無事でいてくれ……!









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