表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
慟哭の時  作者: レクフル
第6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

191/363

Cランク冒険者


私の周りに人が集まり出した。


口々に、すげぇな、流石エリアスが見込んだだけはある、一緒に飲もう!等、さっきとは全く違う言葉が浴びせられる。


それに怯んでいると、エリアスが前に立ちはだかった。



「おめぇら、調子良すぎだろ!勝手にアシュレイに近寄んな!」



そう言って周りを牽制して、私を守る様にしてくれている。


アルベルトが手を叩きながらやって来た。



「流石だ。剣を使った戦いを見せる様にしたんだろ?本当の実力はまだ見せていないんじゃないか?」


「ったりめぇだ!魔法を使ったら一発で終了だぜ?俺がアシュレイに惚れ込んだのも、これで分かったろ?」


「あぁ、文句なくCランク合格だ。なんなら、すぐにでもBランクやAランクにも届きそうだな。」


「続けてランクアップ受けれると思うけど、アシュレイはどうするよ?」


「いや、もうこれで良い……」


「まぁ、あんまり目立ちたくねぇって言ってたしな。」


「凄かったな!フェルドに勝てる奴なんて中々いねぇよ!色々言って悪かった。今日は俺たちに奢らせてくれよ!」


「調子良すぎだろ!まだ時間早ぇしな。今日の夜にでもギルドの酒場で宴会でもすっか?!勿論、全部お前ら持ちだからな!」


「分かってるって!」



それから受付に行って、Cランクになった新しいギルドカードを発行して貰った。


これで素材を買い取って貰う時に、Gランクなのに……と不審がられる事も無くなるかな……


武器屋の店主が、興奮冷めやらぬ感じで私の側までやって来た。



「いやぁ、凄かった!剣捌きもそうだが、魔力を剣に這わせるのも、瞬時にどの系統を這わせるかを見極めて、それもあっという間に付与させれるし、しかもその精度が凄く高い!そりゃあ、今まで鉄の剣を使ってても問題無かったろうな!いやぁ、驚いた!」


「模擬戦は参考になったか?」


「当然だ!良いもん見せて貰ったぜ!」


「じゃあおやっさん、アシュレイの剣を頼むぜ!金はいくらかかっても構わねぇ!」


「お?!太っ腹だなぁ!分かった!任せてくれ!」


「エリアス!自分で払える分で作って貰うから……!」


「気にすんな、俺がそうしたいんだよ。滅多に強ぇ敵に合う事は無ぇかも知れねぇけど、いざと言う時の為に必要だろ?昨日みてぇな事もあるし、良い武器持つと安心するしな!」


「でも……」


「エリアスがここまで言ってんだ!その言葉に甘えてやれ!」


「おやっさんは思う存分作れんのが嬉しいんだろ?!」


「ワハハハっ!バレたか!」



エリアスに押し切られ、金額は関係なく作って貰うことになった。


それから、買い取りカウンターで旅で得た素材を買い取って貰うと、結構な高額になった。

マルティノアの領地内にいた時の、Aランクの魔物がかなり希少だったようだ。


それから、いつでも旅に出られる様に、食料の買い出しをした。

夜になるまで時間があるから、久しぶりにゆっくりしようってエリアスが言うので、コブラルの街を案内して貰う事にした。


屋台で美味しそうな串焼きを見つけて、エリアスと二人で食べたり、寸劇が繰り広げられているのを見たり、露店で売られているアクセサリー等を見て楽しんだ。

こんなに街中を楽しんだ久しぶりで、凄く充実したんだ。


夜になったのでギルドに行くと、酒場には凄く多くの人がいた。

さっきはいなかった人達も、ランクアップの話を聞いたのか、私達の姿を見ると、拍手をして出迎えてくれた。


自分にこんな事をして貰うのが初めてだったので戸惑っていると、エリアスが私の手を握って、皆のいる所まで連れていってくれた。


真ん中にあるテーブルが空いてあって、そこに座るように促されるので、エリアスと二人で席につくと、口々に、Cランクおめでとう!、凄かったな!流石だな!等と声をかけられる。


皆で乾杯をして、宴会が始まった。


こんなに大勢に取り囲まれて、私が不安そうにしているのを見たエリアスが、すぐに隣までやって来て、私をガードするようにしてくれた。

エリアスの心遣いが凄く有難い……


それから、皆がエリアスの武勇伝を聞かせてくれたり、今までの女性遍歴を教えてくれたりしていた。

それをエリアスは言わせない様に止めようとしたが、あちこちから口を出されて、止めようが無かったようだ。

私は終始笑顔で、エリアスの話を楽しく聞いていた。


話は次第に、この国や周りの国の情勢の事になっていく。


インタラス国は今は独立しているが、いつオルギアン帝国の属国になるか分からない、等と言った事が話され出した。

ここ最近、この話題が頻繁に出てくるそうだ。

それは、オルギアン帝国で新たな皇帝が誕生したと言う事からだった。


今のインタラス国は、私にはとても住みやすい国だと思う。


勿論、何の問題もない訳ではないが、周辺国に比べると、比較的自由だ。


オルギアン帝国の属国に等なってしまえば、この住みやすい国がどうなってしまうのか、ここに住む人達は、それは不安に思うだろう。



そんな話しをしつつ、今度は私の話しを聞かせろ等と言って来た。

しかし、私には楽しく話せる事等なかったので困っていると、エリアスがフォローする様に自分の話しをし出す。


ひとしきり飲んで話しを聞いて、楽しく宴会は終わって行った。


今日は凄く楽しかった。


このインタラス国の自由さが、このまま変わらない事を、私は心から願うしか無かった。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=849298090&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ